なぜかやさぐれて寿司
ずっとぉ ずっとぉぉ そばにいてぇぇ
スーパーを徘徊するうちにはからずも口ずさんでいる自分に舌打ちしたくなった。
クリスマス商戦であっちもこっちもクリスマスソングのあめあられ。
毎年毎年、きっと君は来ないし、I gave you my heart してるよね。
でもさ、赤鼻が夜道で役に立つと言われても嬉しかないんだよ、ホントは。
もういい、もういい。わかったわかった。
クリスマスはまだだけど、なんかもうお腹いっぱい。はい、ごちそうさま。
それでも、華やぐ総菜コーナーにふらふらと引き寄せられる私は愛しき情報弱者。
『サーモンづくし』と貼られたパッケージの寿司に見とれている。
何よ。ただでさえ物価フィーバー渦中にこんなもん買えるわけないじゃないの。
鼻息荒く、『づくし』の寿司をカゴにインする私はイカレている。
イカレついでに缶ビールも放り込んでやった。
ワイルドだろ
予約の商品を受け取りに並んでいたら、私を追い越した中年女性が、混み合うレジで慌ただしくするスタッフを、注文したのは出来てるかと呼び止めて「急いでるのよ」と声高に言う。
キャッシュコーナーも珍しく行列で、館内から外にまではみ出した人々は強風にあおられながら、操作にもたつく人の背中に刺すような視線を向けている。
そんな情景がいつもよりヒリつくカンジがするのは、溢れ返るクリスマスソングのせいってことで。
帰りのクルマの窓の向こうに、道路工事の人が白い息を吐きながら旗を振っていて、その反対側では、後方のドライバーに頭を下げながら急いで乗り込む配達スタッフが見えた。
車内のモニターでは今年のニュースを振り返っていて、高市政権誕生のシーンが映し出される。
彼らにカンパイ。
昼間っから黄金の泡を片手に寿司つまむイカレ野郎から愛を込めて。
気がつけば窓の外はとっぷり暮れていて、何にやさぐれてたか考える気もなく、よっこらしょーいちと立ち上がった。
風呂は行けども、洗髪キャンセル界隈の夜。
お寿司もビールも画像を撮る前になくなっていたのですけど、でも、こんな日はそれでいいのかもしれない。
