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孤独だった私を救った一冊。「母ふたり」で家族をはじめた先人の物語

「母ふたり」で家族をはじめること。

そこに「なれるかな?」なんて不安はなかった。

だって、目の前に愛する人がいて、子どもたちがいて、わたしたちはもう間違いなく「家族」だったから。

でも、ふとした瞬間にマイクロアグレッションにぶつかったり、制度の壁に悩まされたり、「ひとりぼっち」のような感覚になることはあった。

そんなとき、暗闇を照らす灯台のように見つけたのが、この一冊だった。

📖 『母ふたりで“かぞく”はじめました』おのはる(著)

この本には、母ふたりで20年歩んできた家族の、泥臭くて愛おしい軌跡が詰まっている。

20年という月日が教えてくれること

著者のおのはるさんは、パートナーの麻ちゃんと共に、3人の子どもを育てあげてきた「ふたりママ」の大先輩だ。

本を開くと、そこには「特別な家族」のドラマチックな日常ではなく、
あまりにも人間らしくて、笑えて、時々泣ける「等身大の家族」の20年があった。

離婚、ステップファミリーとしての葛藤、反抗期、カミングアウト、そして病気。

どんな荒波が来ても、おのはるさんの物腰柔らかな人柄と、パートナー麻ちゃんの破天荒な明るさが、それらを「家族の歴史」に変えていく。

なかでも、わたしの心に深く刺さったのは、子どもたちの言葉。

「同性カップルに育てられる子どもがかわいそう」という意見も聞きますが、これにはいつもわが家の子どもたちがブーブー怒っています。そういうことを言うひとがいなくなれば、私たちは普通に暮らせるのに!ってね。 (本文より抜粋)

「かわいそう」だなんて、外野が決めることじゃない。

子どもたちがそんな偏見を笑い飛ばして健やかに育っている姿は、ふたりママとして歩き出したばかりのわたしにとって、何よりの救いであり、希望だった。

「必ず変わるから」という祈り

もうひとつ、どうしても忘れられない一節がある。 おのはるさんのお父さんが、葛藤した末に贈った言葉だ。

「必ず変わるから。世の中はもう、そういう流れだから。焦らずにやりなさい。」

おのはるさんと麻ちゃんは今、「結婚の自由をすべての人に訴訟(いわゆる同性婚裁判)」の原告として、法廷に立っている。

入院手続きができなかったこと、共同親権がないこと、存在しないものとして扱われることの理不尽さ。

彼女たちが法廷で述べる意見陳述は、後に続くわたしたち世代の家族を守るための「バトン」なんだと思う。

ひとりじゃない、と思える幸せ

おのはるさんは、LGBTQ+の家族同士が繋がれる場所「にじいろかぞく」の代表も務めている。

かつて「孤育て」を経験したからこそ、その居場所は、多くの家族にとってのシェルターになっている。

この本は、わたしに教えてくれた。 「母ふたり」で家族をはじめることは、何も特別なことじゃない。

ただ、目の前の大切な人を愛し、一歩ずつ共に歩んでいけばいいのだと。

もし、かつてのわたしのように「自分たちの形」に不安を感じている人がいたら、ぜひこの本を読んでみてほしい。

読み終わる頃にはきっと、隣にいる家族をぎゅっと抱きしめたくなっているはずだ。

📖 紹介した本はこちら『母ふたりで“かぞく”はじめました』おのはる(著)

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