詩「うそをつく」
足を踏まれたことは忘れられない
その痛み 感触 そのときの気持ち
昔むかし働いた職場のOB会があるという
そんな案内が届いた
いい思い出などないところだ
以前も案内が来ていたが
一度も行ったことはない
もうどうでもよい
連絡も来なくなった
それが なぜか数年前からまた届くようになった
今回も返事を出さないままでいたら
親しくしていた人から出欠確認が再度送られてきた
だが
「別件で用事があり うかがえません
みなさまによろしくお伝えください」
と
うそを言って欠席にした
行けば 顔を見たくない奴もいるだろう
そんな席に のこのこ行くほどのお人よしではない
うそも方便とはよく言ったものだ
ムリする必要はない
生きやすくゆくためなら
どんどんうそをつけばよい
適当にうそをついてゆけばよい
それもひとつの知恵なのだ
足の痛みを再び思い出す必要はないのだ
