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D2C日本市場の顧客獲得にLINE CRMが効く理由とCVR改善策

こんにちは。リテールアプリ共創部で事業企画を担当しているかめだです。

D2Cブランドが日本市場で顧客を獲得するとき、最初にぶつかる壁があります。SNS広告を回してもCVRが思うように伸びない。SEOで記事を積み上げても、初回購入までの距離が遠い。海外で成功したブランドほど「なぜ日本だけうまくいかないのか」と頭を抱えるケースが増えています。

実はこの問題、日本の消費者が日常的に使うメッセージングアプリを活用したCRM導線の設計で大きく変わります。LINE CRMを軸にしたD2CのCVR改善について、今日は書いてみます。


1. D2C日本参入で直面する「広告だけでは売れない」問題

海外ブランドの日本市場参入が加速しています。

この記事では、50以上のブランドを保有するオーセンティック・ブランズ・グループが2026年の最優先市場として日本を設定し、東京オフィスやショールーム機能の拡充を進めていることが報じられています。APAC事業の成長率は前年比約30%。APAC比率を現在の約10%から2〜3年で15%まで引き上げる目標を掲げているとのことです。

大きなプレイヤーだけの話ではありません。

元ユナイテッドアローズのPRが立ち上げたベビー&キッズブランド「リィン」は、ECを初期販路として始動しています。オリジナル商品と海外買付けを組み合わせ、OEKO-TEXやGOTS認証素材を使ったD2Cモデルです。

こうした大小さまざまなブランドが日本市場にECで参入する流れがある一方、共通して聞こえてくる悩みがあります。広告経由でセッションは取れているのに、認知から初回購入までのナーチャリングが機能せず、見込み客を逃してしまうという声です。

個人的に、これはEC事業部の方なら身に覚えがあるのではないかと思います。CPAは下がらない、CVRは横ばい、リピート率に至ってはなかなか手が回らない。SNS広告で認知を取っても、そこから「この商品を買おう」という決断までに、日本の消費者は独特の距離感を持っているのです。

海外ではInstagramのDMやメールマーケティングで十分にナーチャリングできるブランドでも、日本市場ではそのまま同じ手法が通用しないケースが多い。メールの開封率は年々下がり、InstagramのDM文化も日本ではまだ限定的です。結果として、参入初期の顧客基盤を形成できず、EC売上高の成長が鈍化してしまいます。


2. 日本の消費者はなぜメッセージングアプリ以外をスルーするのか

原因はシンプルで、日本の消費者のコミュニケーション導線が海外と根本的に違うということです。

海外で成功したマーケティングレシピをそのまま日本に持ち込んでも、味付けが合わなければ食べてもらえません。

具体的にどういうことか。日本ではLINEの月間アクティブユーザーが人口の大半をカバーしています。メールを毎日チェックする習慣は薄れつつあり、InstagramのDMでブランドとやり取りする文化も欧米ほど根付いていません。つまり、ブランドが発信しても消費者の日常の通り道に情報が届いていないのです。

D2Cブランドの強みは顧客と直接つながることです。でもそのつながる場所を間違えると、直接つながっているつもりなのに実は誰にも届いていない、という矛盾が生まれます。

もう一つの構造的な問題は、顧客データの分断です。ECサイトの閲覧履歴、広告経由の流入データ、SNSでのエンゲージメントデータ。これらがバラバラに存在していて、この人は何に興味があって、どういうタイミングで購入するのかが見えない。見えないから、全員に同じメッセージを送る。同じメッセージだから響かない。響かないからCVRが上がらない。

この悪循環は、チャネル選定の問題と顧客データ統合の問題が掛け合わさって起きています。もちろん、全社横断のデータ統合はCDPやDWHの領域であり、LINEだけで完結する話ではありません。ただし、ECサイトの会員情報とLINE IDが連携されることで、LINEを通じたコミュニケーション上では一気通貫の顧客理解が可能になります。まずはこのLINEという顧客接点の中でデータをつなぐことが、D2Cブランドの日本参入における現実的な第一歩です。

データ分断の課題はD2Cに限らず、フランチャイズ業態でも共通しています。本部と加盟店間のデータ統合については以下の記事で詳しく書いています。


3. LINEを軸にしたCRM導線でCVRを改善する具体策

では、どうすれば日本の消費者の日常の通り道にブランドを置けるのか。

ここで活用したいのが、LINEを基盤にした顧客接点の構築です。ただしLINE公式アカウントを開設して配信するだけでは不十分で、もう少し仕組みとして設計する必要があります。

クラスメソッドが提供しているグロースパック for LINEは、この設計を標準10機能でパッケージ化したソリューションです。

まず入口の話をします。D2Cブランドの参入初期に最も大変なのは会員獲得です。従来のメールアドレス入力・パスワード設定・メール認証という複数ステップに対して、グロースパック for LINEのデジタル会員証機能はQRスキャン1回で完了します。アプリのダウンロードも不要なので、登録のハードルが大幅に下がります。

次に、獲得した顧客との関係構築。ここが日本市場でのD2C CVR改善の核心です。グロースパック for LINEのLINE ID連携機能を使うと、LINEのIDとECサイトの会員情報が紐づきます。ShopifyをはじめとするEC主要プラットフォームとの連携に対応しているため、D2Cブランドが使い慣れたEC基盤の上にそのままLINE CRMを構築できます。顧客がLINEで会員登録すると、ECサイトでの閲覧履歴や購買履歴もこの会員情報に統合されるため、今このお客様に届けるべき情報を届け分けできるようになります。

先ほど触れた顧客データの分断という原因に対して、LINE IDをハブにしてオンラインの行動データを一つの顧客IDで統合する。これがLINEコミュニケーション上での構造的な解決策です。

データが統合されたら、セグメント配信とクーポン機能で実際のアクションにつなげます。購買履歴に基づいた個別クーポンを配信できるので、全員に同じメッセージではなくこの人が今ほしい情報を届けられる。メッセージングアプリ マーケティングの最大の利点は、メールよりも圧倒的に開封率が高いことです。スタンプカードや抽選といったゲーミフィケーション機能で、開封率とエンゲージメントを維持できます。

もう一つ、D2Cブランドならではの活用として、1to1コミュニケーション機能があります。顧客情報を見ながらLINE上で接客ができるので、D2Cのブランドと顧客が直接つながるという本来の価値をそのまま日本市場で実現できるのです。

ロイヤル顧客向けにより深い体験を提供したい場合は、ネイティブアプリの開発も選択肢に入ります。プッシュ通知やオフライン対応など、LINEミニアプリではカバーしきれない体験を提供でき、LINEで獲得した顧客基盤の上にロイヤルティプログラムを構築できます。


4. D2C CVR改善がEC売上高とリピート率を変える短期・中長期効果

ここからは、LINE CRMを導入した場合にどんな変化が期待できるかを3つの時間軸で考えてみます。

短期、つまり1〜3ヶ月では、まず会員獲得のスピードが変わります。QRスキャンによるデジタル会員証は、ECサイトへの初回訪問時やSNS広告のランディングページからの導線に組み込めます。友だち追加というLINEユーザーにとって馴染みのあるアクションが入口になるので、従来のメール登録に比べて登録完了率の改善が見込めます。

CVRへの好影響も、このタイミングから出始めると思います。友だち追加直後のウェルカムクーポン配信で初回購入を後押しできるからです。参考値として、一般的にLINEのメッセージ開封率はメールの3〜5倍と言われており、届けた情報が実際に読まれる確率がそもそも違います。この開封率の差が、CVR改善の土台になります。

中長期、つまり3〜12ヶ月になると、蓄積された顧客データの価値が効いてきます。購買履歴に基づくセグメント配信の精度が上がり、リピート率の改善につながります。D2Cブランドにとってリピート率は生命線ですよね。新規獲得コストが上がり続ける中で、一度購入した顧客にもう一度買ってもらえるかどうかがEC売上高を左右する。LINEというプラットフォーム上で顧客との関係を継続できることは、D2Cブランドの日本参入において大きなアドバンテージになります。

会員統合の観点では以下の記事で紹介したオムニチャネル顧客の知見が、D2Cブランドのリピート戦略にも示唆を与えてくれます。

海外D2Cブランドがリテールチャネルを拡大する動きは加速しています。ソウル発のニッチフレグランスブランド「Borntostandout」がRevloveから米国セフォラへ展開を広げているのもその一例です。こうした海外D2Cブランドが次のステップとして日本市場を視野に入れる際、LINEを起点とした顧客接点は有効な手段になると思います。ニッチブランドほど既存顧客のリピートとクチコミが成長の鍵になるからです。

組織面では、ECチーム内で完結できるのが大きいと思います。LINE連携はEC事業部やWebマーケティング担当の管轄範囲内で起案・実行できる施策です。情シスや店舗部門との大掛かりな調整なしに始められるので、意思決定から実行までのスピードが速い。

エイペックスコマースの茂住CEOが手がけるオーストラリア発スキンケアブランド「スノー フォックス スキンケア」は、日本市場5年目でスキンケアへのカテゴリ拡張とEC収益化に注力しています。EC収益化フェーズにあるブランドこそ、リピート率改善が成長のボトルネックになりやすい。そのCRM基盤としてLINEは有効ではないかと思います。顧客との継続的な接点をLINE上に持つことで、カテゴリ拡張時のクロスセル提案もしやすくなるからです。

ファーストステップとしては、来週からできることが一つあります。まず自社のECサイトとSNS広告のランディングページにLINE友だち追加の導線がどれくらい設置されているか、現状を棚卸しすることです。意外と公式アカウントはあるけど導線が弱い、そもそもLINEを活用していないというケースは多い。棚卸しの際は以下の3点をチェックしてみてください。

  • ECサイトのトップ・商品詳細・カート画面それぞれにLINE友だち追加の導線があるか

  • SNS広告のランディングページにLINE誘導のCTAが設置されているか

  • 既存のLINE公式アカウントの友だち数と、ECサイト会員数の比率はどの程度か

棚卸しの結果をもとに、グロースパック for LINEの標準機能のうちどこから始めるべきかの優先順位が見えてきます。その上で、導入スコープと期待効果を整理すれば、社内稟議にも通しやすい形になるはずです。


まとめ

D2Cブランドが日本市場で顧客を獲得するには、日本の消費者の日常の通り道であるLINEに入り込む必要があります。SNS広告やSEOだけではCVRが伸びない原因は、メールやDMが日本の消費者に届きにくいことと、顧客データが分断されていることの掛け合わせでした。グロースパック for LINEのデジタル会員証、LINE ID連携、セグメント配信を組み合わせることで、会員獲得からリピート購入までの導線を一気通貫で設計できます。まずは自社ECサイトのLINE導線の棚卸しから始めてみてください。

では、おつかめ!

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