アウトローのアウトドア(408):コンピュータの話#140:技術屋のみたシステム開発の世界32
― 組織は「管理」のためじゃなく、「人を見る」ためにある ―
前の記事にも書いたけど、
俺が支社長だった頃、“使える” 部長が3〜4人いた。
それぞれが自分の部隊を持ち、
その下に 次長・プロジェクトマネージャークラス が何人かいる。
評価も教育も、もちろん業務も、
全部ひとりで抱えるんじゃなくて――
きっちり分担していた。
いわゆる 階層分担 だ。
◆ 3階層という現実的な構造
構造としては、こんな感じになる。
支社長(俺)
→ 部長を3〜4人、直接見る部長
→ 次長・プロジェクトマネージャを複数持つリーダー(次長・PM)
→ 現場メンバーを数名ずつ担当
これで 3階層。
多すぎず、少なすぎず。
現実的に「人が見える」限界ラインだ。
◆ 階層分担は「支配」じゃない
ここ、誤解されがちなんだけどな。
階層ってのは、
人を縛るための仕組みじゃない。
何を分散しているかというと、これだ。
業務判断
評価
教育
面談
ケア
要するに、
「人を見る負荷」 を分けている。
ひとりで50人を見るなんて、無理に決まってるだろ(笑)
◆ 人事考課が“機能する”構造
この階層構造は、人事考課のときに一番効いてくる。
面談は 直上の上司 が行う(一次考課)
その評価を、上位とすり合わせる(二次考課)
最終的には、支社長・部長クラスで確定(三次考課)
その結果が、
昇進・昇格
賃金改定
賞与評価
に直結する。
最後は、支社長・部長クラスが集まって、
横並びで評価点を調整する。
部隊間の調整、すり合わせだな。
これをやるから、
「どこの部隊だけ甘い」とか
「誰かの好き嫌い」になりにくい。
構成員から見ても、
納得しやすい仕組み になってる。
◆ チームができて、初めて「組織」になる
ここ、かなり大事なポイントだ。
共有意識
同調意識
連帯感
こういうものは、
制度だけじゃ作れないんだ。
毎日顔を合わせる
同じ上司に見られる
同じ評価軸を共有する
この 「チーム単位」 があるから、
自分はここに属している
自分の居場所がある
って感覚が生まれる。
フラット型50人だと、
「会社」はあっても 「チーム」がない。
人はさ、
会社全体よりも、
チームに帰属した方が力を出しやすい。
これは現場を見てきた人間なら、分かるよな?
◆ 健全なライバル意識
チームができると、自然に競争も生まれる。
あのチーム、調子いいな
今期は負けたくない
この程度の競争心は必要だ。
適度な競争は、人を腐らせない。
むしろ、全体のレベルを引き上げる。
◆「評価されている」という安心感
もうひとつ、構造の強みがある。
直属の上司が見ている
その上司も、上から見られている
つまり、
評価が恣意的じゃない
ちゃんと上に抜けていく
ってことが、肌感覚で分かる。
この安心感があるから、
文句が減る
納得できる
厳しい時でも踏ん張れる
人は「見られている」と思えると、案外強い。
◆ まとめ
ということで、結論はこれだ。
組織の階層は、
人を縛るためにあるんじゃない。 人を見るため、 人を育てるために、 必要なだけ存在する。
ピラミッド型組織――
うまく回せば、悪くないだろ?(笑)
少なくとも、
「フラットが正義」なんて単純な話じゃない。
言葉、文字、数字、紙・・・それに貨幣、会社、簿記・・・どれも人間が「発明」したもので、見過ごされている大発明だよ。(笑)
(2026-02-02)
