資金調達|お金を集めるだけの会社は、次の成長を設計できない─守りの財務と攻めの財務を分ける経営設計
〜8月22日 23:30
ランウェイが3ヶ月を切っていた。
月次のトップラインは、微増している。
でも、このペースでは間に合わない。
そういう局面が、自分にはあった。
会社はまだ死んでいない。
ただ、何もしなければ確実に詰まる。
キャッシュを守らなければいけない。
でも、守るだけでは次がない。
そのとき自分がやったのは、
守りを固めながら、次に張る事業の仮説を同時に作ること
だった。
資金繰りを見ながら、支払いの優先順位を決める。
ランウェイを見ながら、削るものを決める。
同時に、次にどこで勝てるかを考える。
ファイナンスを軸に新規事業を設計し、
マーケットに受け入れられるかを見にいく。
その後、M&AのバイサイドとしてPMIも主導し、会社の規模を一段上げることができた。
あの経験で強く思ったことがある。
資金調達には守りの財務と攻めの財務がある
そして、この二つを同じ人間が、
同じ思考でやろうとすると、
どこかで必ず判断がぶれる。
---
資金調達を、CFOだけの仕事にしてはいけない
資金調達を、CFOだけの仕事にしてはいけない。
こう書くと、少し誤解されるかもしれない。
CFOが不要だと言いたいわけではない。
むしろ逆だ。
資金繰り。
資本政策。
調達条件。
ランウェイ管理。
希薄化のコントロール。
財務モデル。
ガバナンス。
これらを外すと、会社は簡単に壊れる。
どれだけ良い事業があっても、
キャッシュが尽きれば会社は止まる。
どれだけ強い市場にいても、
資金繰りを読み間違えれば終わる。
どれだけ優秀な人がいても、
資本政策を間違えれば次の選択肢が狭くなる。
だから、CFOの役割は極めて重要だ。
ただ、
CFOが見るべきファイナンスと、
CSOが見るべきファイナンスは違う。
守りの財務は、会社を死なせないためにある。
攻めの財務は、会社を勝たせるためにある。
守りの財務だけで資金調達をすると、
会社は一時的に生き延びる。
でも、次の成長に転じる設計が弱くなる。
攻めの財務だけで資金調達をすると、
会社は勢いよく前に出る。
でも、守りが弱ければ簡単に壊れる。
だから必要なのは、
CFOとCSOの役割を分けて設計することだと思っている。
守るときは、CFOが徹底的に守る。
攻めるときは、CSOが前に出て資金を勝ち筋に接続する。
この切り替えができる会社は、
守りから攻めへの転換が速い。
---
CAO、CFO、CSOを経験して見えたこと
自分は、シードからシリーズA〜Cのスタートアップで、CAO、CFO、CSOの役割をすべて経験してきた。
管理部門を立ち上げ、ガバナンスや業務の土台を作る立場。
資金繰りやキャッシュを見て、会社を止めないために動く立場。
中長期の戦略、アライアンス、新規事業、M&A、資金調達を会社の勝ち筋に接続する立場。
それぞれの役割に入ってみて、強く感じたことがある。
同じ「経営」に見えても、
見ているものがまったく違う。
CAOは、
会社が内側から崩れないように見る。
CFOは、
会社がキャッシュで死なないように見る。
CSOは、
会社が次にどう勝つかを見る。
この3つはつながっている。
でも、同じものではない。
CAOは、会社を壊れない形にする。
CFOは、会社を死なせない。
CSOは、会社を勝たせにいく。
3つの視点を持つと、資金調達の意味が変わる。
資金調達は、
単に会社にお金を入れることではない。
会社を守るための調達もあれば、
会社を勝たせるための調達もある。
この違いを分けて考えられるかどうかで、
資金調達の質は大きく変わる。
---
ここから先では、考え方だけではなく、実務で使える形に落とします。
この記事の有料部分で扱うことは、以下です。
・よくある失敗パターン
・問題が起きる構造
・経営会議で確認すべき問い
・明日から使えるチェックリスト
・判断を残すための記録テンプレート
・ズレが出たときの見直し基準
単なる読み物ではなく、実際に会議や現場で使うための内容です。
--
ここから先は
8月1日 17:00 〜 8月22日 23:30
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
