【経営計画】⑥売上を伸ばすだけでは、会社は潰れる〜利益は“原価設計”で決まる〜
利益は売上ではなく、原価設計で決まる
売上が伸びているのに、
なぜか利益が残らない。
むしろ忙しくなるほど、
資金が苦しくなる。
この状態に入る会社は珍しくありません。
原因は明確で、
利益を「結果」として扱っているからです。
※このシリーズは全7回です
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経営計画
多くの経営計画は、
こうなっています。
売上 → 原価 → 利益
しかしこの順番で考えている限り、
利益はコントロールできません。
なぜなら、
売上は不確実で、
その下にぶら下がる原価も連動して膨らむからです。
本来やるべきは逆です。
「どの粗利構造なら成立するか」
を先に決める。
つまり、
粗利 → 売上
の順で設計します。
例えば、
粗利40%必要な事業なのに
実際は30%しか取れていない
この状態で売上だけ伸ばすとどうなるか。
売上が増えるほど、
赤字も一緒に拡大します。
これが
「成長しているのに苦しい会社」
の正体です。
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原価設計とは何か
原価設計とは、
コストを削ることではありません。
利益が出る構造を、事前に固定すること
です。
そのためには、
「原価の考え方」
自体を揃える必要があります。
原価の設計ポイント
① 為替を前提にした原価設計(輸入・輸出)
輸入・輸出が絡む場合、
原価は為替に強く依存します。
ここで重要なのは、
どのレートを前提にするかを先に固定すること
です。
現在レートで見るのか
保守的なレートで見るのか
ヘッジ前提で設計するのか
これを曖昧にすると、
売上は合っているのに原価だけブレる
という状態になります。
結果として、利益が読めなくなります。
② 変動費の定義(仕入れはコントロール可能か)
物の仕入れがある場合、
すべてを同じ
「変動費」
として扱うと設計が崩れます。
重要なのは、
その仕入れはコントロールできるかどうか
です。
交渉・切替でコストを下げられる仕入れ
市場依存でコントロールできない仕入れ
この2つは、同じ変動費でも意味が違います。
前者は「設計対象」ですが、
後者は「前提条件」です。
ここを分けないと、
現実的な原価設計はできません。
③ 固定的原価と販管費の切り分け
多くの会社で曖昧なのがここです。
原価に含めるべきコスト
販管費として扱うべきコスト
この切り分けが崩れると、
粗利の定義自体が壊れます。
特に注意すべきは、
提供に直接紐づく人件費
プロダクト維持コスト
サポート・運用工数
これらは販管費ではなく、
固定的原価として扱うべきケースが多い
です。
ここを販管費に逃がすと、
粗利が過大評価され、意思決定を誤ります。
④ CACとしての工数定義(管理会計)
管理会計として重要なのが、
マーケ・営業の工数の扱いです。
ここで出てくるのが
CAC(Customer Acquisition Cost)
です。
CACとは、
1顧客を獲得するためにかかった総コスト
を指します。
一般的には広告費などが見られますが、
それだけでは不十分です。
実務上は、
広告費
マーケティング工数(企画・運用・改善)
営業工数(リード対応・商談・クロージング)
これらすべてを含めて、
CACとして定義する必要があります。
例えば、
広告費:10万円
マーケ工数:5万円
営業工数:5万円
この場合、CACは20万円です。
しかし多くの会社では、
広告費10万円しか見ていません。
これでは、
実際は赤字なのに黒字に見える
投資判断を誤る
スケールすると崩壊する
という状態になります。
重要なのは、
工数をコストとして認識すること
です。
時間は無料ではありません。
すべての工数には機会コストがあります。
CACを正しく定義すると、
1顧客あたりの採算
回収期間(Payback Period)
投資拡大の可否
が初めて判断できるようになります。
原価設計の実行フロー
ここまでを踏まえると、
設計はこうなります。
粗利ラインを決める
原価を分解する
コントロール可能な領域を特定する
為替・市場要因など外部前提を固定する
CACを含めた実質コストで判断する
結論
売上はコントロールしきれません。
でも原価構造は、
意思決定で固定できます。
そして一度構造を誤ると、
後から修正することは極めて難しい。
だから、
利益は売上ではなく、
原価設計で決まります。
構造
状況:売上成長と利益悪化が同時に起きる
問題:原価の定義と設計が曖昧
判断:原価を構造的に分解・再定義する
結果:利益が再現性を持つ
構造説明:利益は結果ではなく設計対象
