【プロフィール】物語の始まりは神話から
神話が好きです。
子供のころ、
学級文庫にあった世界の神話シリーズを
わくわくしながら読んでいました。
とくに好きだったのは、
トルコ神話とロシア神話です。
ページを開くたび、
どこか遠い草原を渡ってくる
風の気配を感じていました。
家には、日本神話の大型本もありました。
昭和の絵本に多かった、
アニメのセル画風の挿絵には
少し物足りなさも覚えましたが、
それでも何度もページをめくり、
物語の中に没入しました。
町立図書館にあった
ポイヤウンペの三冊の絵本も忘れられません。
北海道を舞台にした雄大な語りに惹かれ、
借りては返し、また借りる、
そんなことを繰り返していました。
ファンタジー小説では、
『指輪物語』や『ナルニア国物語』よりも
『ゲド戦記』が好きでした。
けれど、いちばん強く心をつかまれたのは、
あしべゆうほ先生の
『クリスタル☆ドラゴン』です。
ファンタジーから歴史、神話、SFまで、
画力においても、物語の射程においても、
少女漫画が少年漫画を凌駕していた、
昭和の終わり。
その百花繚乱の作品群の中でも
『クリスタル☆ドラゴン』は、
きわめて独自性の高い作品だと思っています。
ケルト神話を中心に据えた幻想世界、
丁寧に調べられた時代背景や習俗、
そして、そこに生きる人々の営み。
ケルト、北欧、ローマという
三つの世界が物語の骨格として組み込まれ、
登場人物たちの運命が、
その世界観と響き合うように動いていきます。
とりわけ、
ヴァイキングの舟葬をめぐるエピソードは圧巻でした。
儀式そのものの重みと、
ある思惑から、あえて殉死を選ぶ人物の生きざまに、
子供心にも強い衝撃を受けました。
後年観た映画『13ウォーリアーズ』と
その原作にも同じ風習が描かれていて、
あしべゆうほ先生の時代考証の確かさに、
あらためて驚かされたことを覚えています。
しなやかな描線が生み出す気品と迫力、
神話世界の奥行きと
登場人物が織りなすドラマ性が絡み合う
壮大な叙事性。
残念ながら、2026年現在も
この作品は未完ですが、
私にとっては少女漫画の金字塔であり、
創作のバイブルです。
少し大人になってから夢中になったのは、
タニス・リーの『平たい地球シリーズ』と、
マーヴィン・ピークの『ゴーメンガースト』でした。
原作の力は言うまでもありませんが、
翻訳家・浅羽莢子先生の
流麗でダークな訳文に出会えたことも、
大きな幸運だったと思っています。
その筆致の美しさに、
今も惹かれ続けています。
――自己紹介は、こんなところでしょうか。
このnoteでは、
神話と歴史のあいだ、
記録と想像の境界に立ちながら、
古代をめぐる物語と考察を書いています。
どこかで聞いたことのある神話やお伽噺が、
少し違ったかたちでふと顔を覗かせる。
そんな瞬間を、
ここで共有できたらうれしいです。
