50代の離婚の相談を考えてみる。
まだ開業ゼロ期ですが、いよいよ「行政書士として起業する」ということをごく親しい人たちに話し始めました。「自分という人」の宣伝です。わたしは、本当にこういうことを言うのが苦手です。前回、アピールが苦手だと言う話をしましたが、まだまだその状態は続いています。
わたしは50代に突入した氷河期世代なのですが、起業する話をしたところ「離婚をしたいんだよね」という風に切り出されました。行政書士がなにができるのかはわからないけれど、とりあえずお堅めの仕事だ、と思ったようです。
離婚協議書の作成についてはネットなり本を読んだり、色々調べていました。
離婚協議書を専門とする行政書士も少数ですがいらっしゃいました。全国対応とされているのをみると、あえて遠方から依頼することもある業務分野なのかなと予想しています。
行政書士は、離婚協議書作成については、夫婦間で「合意した」内容を書面作成するということになります。あくまで「夫婦間の合意」が元になっています。
ですが、友人の一件についても「合意」にたどり着くのは、そう簡単なことでないことが伺えます。またそうだろうな、と誰もがある程度予想はつくと思います。
友人はそうではないですが、離婚協議書を作りたいがために「合意している」と嘘をつかれたりなど、一方的な方向で進む可能性があり得るのではないかと思いました。受任するにはリスキーかもしれないな、と、離婚協議書についてはかなり慎重に進める必要があると思いました。
ただ、話を聞いていると、求められていることは、そこではない。
「離婚したいんだけど・・・」というところからは「どんなことを考えて行けばいいのか」「これからどうしたらいいの?」の答えの方を必要されている。
実際に離婚する・しないというのは人生を分断する決断です。
そして、円満な関係を築いている方々に相談しにくかったり、相談したとしても、自分が思うような答えは出されないかもしれません。
ここからの答えは、行政書士ではなく、むしろファイナンシャルプランナーとしての知識なのかなと思いました。
残念ながら全て「お金」が関わってくること
子供がいる場合は、養育費のこと。
別居している間の婚姻費用。
熟年の場合は、年金分割(合意分割もしくは3号分割)。
ペアローンの場合の共有財産分与。
ざっと思いつくだけでも相当重い内容です。そして、そこには必ず「怒りの感情」が必ず絡んできて、一筋縄ではいきません。合意するだけでもハードルが高いです。調停に発展することも珍しいことではありません。長丁場にもなります。
また、離婚後の新しい生活にも目を向けなければなりません。
生活費の他にも、扶養の有無によって大きくお金は動いていきます。
国保・国民年金・住民税、引っ越し代。実家の援助はあるのか、などを踏まえて、電卓を叩いてみると、離婚直後の1年目にかかる費用は、開業する費用以上です。
計画的に離婚を考えた場合、1年ほどは準備期間として必要であることや専業主婦の場合は社会保険完備の会社へ就職活動も考えねばなりません。
離婚問題は20代から熟年とさまざまな年代に共通することも多いですが、わたしと同年代の50代にフォーカスしてみます。
私たち50代は、50代後半はまだバブル期の時代の方も多く、専業主婦あるいはパートの方、50代前半は就職氷河期で派遣やまたパートも方も多い年代です。
今では、当たり前になっていたことが、まだまだ制度が整ってなかったことが多い世代です。共働きしたくても、待機児童で保育園に入れなかったり、そもそも育児休暇制度すらなかった会社すらありました。
そして30代でお子さんを産んだ方は、現在、お子さんが受験期だったり大学だったりで、教育費が一番嵩む年代にもなっていっています。
そして旦那さん側の退職金も数年後には発生する年代です。
そういう背景をもとに、離婚を考えてゆくことのハードルの高さをとても感じます。
おそらく、離婚したいという相談を持ちかけている段階では、頭ではなんとなくわかっていてもここまでお金の問題には気づけていないかもしれない程いっぱいいっぱいで、実際友人も「一緒に住んでいるのが苦痛」は状態から一刻も早く離れたい、という感じです。「離婚届を早く出したい、離婚届もらってきた、明日にでも出したい」というような切迫感でした。
届を受理されてしまうと、共有財産など不都合になってしまうことがありますよね。離婚後は、完全に自分のお金でやりくりせねばなりません。50代ですと離婚後扶養の要件に満たさないと思います。自分のへそくりなど金銭的余裕があるかどうかを聞かないうちに、「もういい、離婚する」と行動に移しかねないということもあり得ます。我慢の限界の中で生きていれば、感情的にはそうなってしまいます。
また、離婚への「本気度」も推し図ることが必要です。
カーっとなっている状態、もしくはそれが一定期間続いているときなのか、ずっと冷静に考えて「決断した」状態なのか。
友人の場合は、波があります。本気でも、子供が「離婚は嫌だなあ」といえば留まったりするもので、そうして時間が過ぎ去ってゆきます。友人だけがそうではなく、夫婦間というのはそういうものです。
50代の女性の悩みとして、20代30代にはない離婚の悩みの深さを感じています。
離婚後、子供が巣立っておひとり様になることもあります。老後の懸念、死ぬまで働かなくてはならないのか、子供がいても、おひとり様として子供に頼らずやってゆきたい人も必ずいらっしゃいます。
行政書士の仕事として、友人のケースだけでも非常にエネルギーを使うと思いました。ヒヤリングも一方的な部分しか見れない、というのもあります。
「離婚協議書の作成」を受任するまでの道のりが長そうであり、業際を含め、危なっかしいところも拭えません。また受任していませんから報酬もありません。厳しいことになりますが業務効率としては、タイパ、コスパ面ではロスとなってしまうことはあると思います。
そして、期待していたような明るい答えはできそうもないのも事実です。
お金はないけど、離婚したい
それが相談する「本音」の部分です。
余談ですが、わたしの両親は昔から本当に仲が悪いのですが、「お金がないから離婚できない」典型的な夫婦です。互いに具合を悪くしているのにも関わらず、ほとんど病状をお互い知りません。介護問題でさらに関係は悪化しています。それでも、実際として離婚はしていません。我慢の限界を何度も乗り越えて今があります。
離婚相談はただの無料悩み相談室になってしまわないか
あえて、厳しく書かせていただくと、この要素が強いかもしれません。
今回は、とても仲の良い友人なので、色々なことを調べられたりできました。
ですが、関係性の薄い名もなき友人が、行政書士だと聞いて相談を持ちかけられても、今回の友人のように接することができるのかというと、厳しいかもしれません。
なんでも相談してね、というのは簡単です。
ですが、相談されてもお役に立てることが実感としてなかったら、期待外れとなるでしょう。開業ゼロ期で、数少ない友人に「なんでも相談してね」と言いたい気持ちにはなりますが、大事な友人だからこそ、言葉は少なからず選んでゆこうと思いました。
そして、これからとして、相談された際、いろんな方たちに繋げられるようなネットワークの一員になれたらいいなと感じます。どの分野にしても士業という職業は相談するにはハードルが高いはずです。
結局、自分は何ができるんだろう
これは、常に念頭にある思いです。
この話はもう2ヶ月ほど前の話なのですが、離婚の相談から、いくら情報整理してプランを作成しても、自分何もできないなあ、と悔しいというか悲しいなあと思いました。
難しいですね。
相談を「受け止める」
結局ここが終着点です。その受け止めだけで、彼女は「方向性」だけは伝わりました。まずは「足るを知る」です。
まだまだ、この分野についてもこれからいろんな経験を交えて確立してゆくのかもしれません。勉強です。
今日もお読みくださってありがとうございました。
