2歳。緑だけ先に海外進出を果たした件
最近、兄が英会話に出会った。
すると我が家の色彩業界に異変が起きた。
母が緑色のブロックを指差して言う。
「緑のブロック取ってー。」
すると兄は即座に訂正する。
「Green!」
緑ではないらしい。
Greenである。
なぜだ。
英会話中に昼寝をしていたことは、
母の耳に入っている。
我が家の兄は、
色と色名の紐付けがあまり安定していない。
また、興味のない場面では姿と意識を消しがちである。
妹を象徴する色、ピンク。
ピンクは安定政権を維持している。
揺るがない。
一方で信号機の赤と青は、
頻繁に政権交代を繰り返す。
色と色名がひっくり返りがち。
むらさきは、ぶどう。
オレンジは、みかん。
色彩業界というより果樹園に近い。
そういえば、緑と言っているのを聞いた記憶もない。
母は長らく、
「この子は色にあまり興味がないのだろう」
と考えていた。
しかし最近、新たな事実が判明した。
色への興味が薄いのではない。
特定の色だけ異常な発展を遂げているのである。
緑色の車を見れば、
「Green!」
緑色のブロックを見れば、
「Green!」
緑色の何かを見つければ、
「Green!」
なぜGreenだけなのか。
英会話教室で何らかの大型投資が行われた可能性がある。
あるいはGreen活用によって、
とてつもない成功体験を掴んだのかもしれない。
母は考えた。
兄はまだ、色で世界を分類していない。
むらさきは、ぶどう。
オレンジは、みかん。
つまり彼の中では、色そのものより物の方が先に存在している。
だから、
緑=Green
ではなく、
この色の名前=Green
として丸ごと保存しているのかもしれない。
2歳児の脳内事情は、大人から見ると少し複雑である。
とりあえず現状を整理すると。
ピンクは安定運用中。
むらさきは「ぶどう」名義で登録済み。
オレンジは「みかん」名義で管理されている。
赤と青は依然として混戦状態。
そして緑だけが海外法人を設立した。
赤と青はまだ国内線を運航中だが、
緑だけ先に海外進出を果たした模様。
今後の色彩業界の動向に注目したい。
