毎週ショートショートnote|トイレットペーパードライバー
⚠️今週から、田原にかさんより「創作のヒント!」を頂けることになりましたので、今回はこれに従って書いてみたいと思います。
1.トイレットペーパーをドライブすると考えてみる
トイレットペーパーが動き回るんでしょうね。なんで動き回るのか? そしてそれをドライブ(操作)する主人公! そんなお話はどうでしょう?
創作のヒント!より抜粋
(本文)
喜一はトヨタの販売店を訪れた。
彼はかれこれ五十年ほど、この販売店から車を買っている。担当の営業も付いていたのだが、二年前に辞めた。それでも通い慣れたこの店で新しい車を買おうと思い今回も足を運んで来たのである。
不思議なことに喜一が入店しても誰ひとり近づいて来ない。だが彼は、前からゆっくりとひとりで車が見たいと思っていたので、その方が良かった。それで彼は展示車のドアやハッチバックをバンバン開け閉めした。重厚な音が店内にこだまする。彼は気分を良くした。つまり買いたくなったのだ。
彼がこんなにも早く車を買いたくなるのは初めての経験だった。今までは大体、店に入る前から監視されていて、入店の瞬間に営業がマンマークで付いてきたものだ。だから喜一はいつも購買意欲が萎え、色んな見積もりを出させてはコーヒーを飲み、車の欠点を言ったりしたものだった。
それにしてもまだ誰も近付いてこない。喜一は少し不安になった。トイレットペーパーカー!
(以下文字数オーバー)
そう。つまりこの販売店は巨大なトイレットペーパーカーで、しかもそれは喜一の念動力で動いているのではないかと思った。
なぜ急にそんな突飛なことを思いつくのかというと、文字数が足りないからだ。
つまり『創作のヒント!』にガッツリ乗り過ぎて失敗してしまったのだ。程々に、参考程度にすれば良かったのだ。もうこのあたりで500文字くらいだ。オーバーし過ぎである。反則だ。
反則と言えば、私はSASUKEが好きだ。特にMr.SASUKEの山田勝己さんが好きだ。彼の何が良いかというと、最後まで辿り着けないところだ。
何年前かは忘れたが、最初のローリング丸太のところで滑って爪先が一瞬着水したときがあった。
勝己はそのときも、それをまるでなかったかのように処理し、ローリング丸太を登った。会場は明らかに変な空気になった。そしてヌルッと。本当にヌルッと勝己は失格となった。
SASUKEオールスターズの中からも、「そんな姿、見たくなかったよ」というヤジが飛んだ。
再生補修の中の黒再生補修が勝己を拍手喝采した。
創作とはそう言った言葉にできない違和感を表現することではないだろうか?
だからわかっている。私もだいぶん前から失格になっているのだが、勝己以上にヌルヌルになってしまっているし、ましてや勝己のように止めてくれるスタッフや仲間などは誰も居やしないので、困惑もしている。
こんな感情も、初めての経験だ。
つまり私は「410文字程度」という数字に囚われていたのかもしれない。そもそも「410」とは何の数字なのか。想像するに元々「400」だったのではないだろうか。それに切れ味鋭い「10文字」を入れるのが理想的ではないか、と当時の田原さんとその周辺は考えたのではないだろうか。私はそう信じて切れ味鋭い10文字を探す旅を続けている。それももうかれこれ二年くらいになるだろうか。
ショートショート三要素の一つに『意外な結末』がある。10文字でそれができたらカッコいいと思う。今回でいえば、『トイレットペーパーにまつわる何か』であろう。
私の頭によぎったのは、販売店のトイレである。販売店のトイレからハンドルを握った喜一がトイレットペーパーカーで発進するのである。トイレットペーパーカーが何なのかは知らない。
そしてその車はTOYOTA販売店のショウ・ウインドウを突き破り、喜一の住む小さな町を一周するのである。ウイニングラン。そういう感じにしたかった。
しかし、いかんせん410文字である。到底無理だった。「営業」と書いてしまったので、なにがしかの営業の人を絡ませるくだりが必要となってしまったのである。
確かにやろうと思えば出来る。箇条書きだ。これは最もわかりやすく、伝わりやすい方法としてビジネス界隈では推奨される。
だがここは文芸の世界である。感情の流れが大事だ。箇条書きでそれを表現するのは極めて困難だ。
それにしてもいつまでこんな糞切りの悪い事を書き連ねるのか。そんな糞切りは、トイレットペーパーで拭いてしまえば良いのである。
おあとがよろしいようで!🙇
(1658文字) 失格!
毎週ショートショートnoteに参加しています
(来週はちゃんとやりたいです🙇)
