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毎週ショートショートnote|フフン賞

「♪フフンフフンフンフフン…」とあさこは鼻歌を歌った。
佳代子が「ちょっとそれ、ハイティーンブキでしょう?」と言った。
あさこは「そう!正解!」と言ったが、本当は何の曲でもなかった。
ふたりはそんな感じの付き合いをしていた。
自分が今言いたい事を一方的に言えればそれで満足だった。それで需要と供給が成り立っていた。

「で私さ、この前この服買ったんだけどさ、15800円が半額になってて、良い買い物したのよ」
「半額! 良かったわね〜。これ良い布使ってるんじゃない?」
脳のモードは『停止/自動/手動』の三種類で、聞き手のときは『自動』にしておく。

誰かが、「あなたたちはお互いの話を聞いていないですよね?」と言った。
見ると十五センチくらいの紳士がテーブルの上に立っていた。
ふたりは同時に「そうよ」と応えた。
そして佳代子が、「そんなどうでもいい話、真剣に聞いてどうするのよ」と言った。
そして、ふたりは同時に「フフン」と鼻息を吐いた。
紳士は「ふたりにフフン賞を差し上げたい」と言った。
佳代子は「何よそれ。バカは寝てから言いなさいよ」と言った。
あさこは「わたしは貰っとくわ」と言った。
「じゃあ私も貰っとくわ」と佳代子も言った。

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