毎週ショートショートnote|夜行性の黒板消し
夜八時。五年二組の黒板消しは板書を消していた。昼間はモニターが光っただけで、黒板は一切使用されなかった。
次の日も結局、先生は黒板を使わなかった。だけどやっぱり夜八時になったら黒板消しは板書を消している。そして黒板消しは満足そうに黒板消しクリーナーに掛かるのだ。
先生は昔、黒板を使っていたし、子供たちもそれをノートに写し取っていた。
それが今となっては子供たちはノートを取ることをせず、通電したモニターの方向に首を向けるだけだ。
先生はその身体に乗ったシャレコウベの歯をカチカチ言わせて、それを見る子供たちの眼球は不在で、空はいつも赤く、あたりは砂嵐が吹いていた。
人類が滅んでもソーラーパネルはまだ生きていて、モニターやクリーナーにもまだ電気が供給されているし、先生と子供たちにも同じように電力が供給されていた。
また夜八時になると、今日の黒板係が立ち上がり、何も書かれていない板書を消して、クリーナー掛けをした。
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