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pinkcat009
毎週ショートショートnote|思い出相続税
石原良純は吹雪ためエベレストの九合目で足留めされていた。
父の慎太郎が亡くなったとき、良純は思い出を維持するため莫大な思い出相続税を納付した。
思い出相続税は固定資産税と同じ算定方式なので、四半期ごとに納め続けなくてはならない。
今週中にまた三億七千万円を神奈川県逗子市に納めなくてはならないのだが、良純は納付できていなかった。ついに資金不足に陥ったのだ。
良純は高校生のとき、父の部屋に呼ばれた。父は泥酔していた。
そして自慢げに「エベレストの登頂記念に財産の九割を埋めてきたからお前にやるよ」といった。
良純はそのため気象予報士も取得したし、マラソンも続けてきた。本当は気象なんて全く興味がなかった。
納付期限が遂に今日となったとき、雲で覆われていた大気が流れ、晴れ間が出てきた。
良純は急いでテントを片付け山頂を目指した。
空気は次第に薄くなったが、良純の足どりは確かだった。
そして遂に良純はエベレスト登頂を果たし無事下山したのだが市役所側で良純の記憶を消したのが十七時で登頂が十七時二分だったため財産のことは全部忘れた。
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