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毎週ショートショートnote|節分の半分は優しさでできています

財前は教員になんてなりたくなかった。でも身体を使った仕事は向いていないし、他人の言うハッキリしない話を理解するセンスもなかった。
その点教員は、少なくとも授業中は自分が空間のハンドルを握っていられる。だから財前は半分だけ満足していた。
給食の時間や、職員会議、休み時間など、財前はハンドルを手放して学校内を浮遊していた。連絡事項は何を言っているのかわからず、子供たちの話も理解できなかった。次第に財前のクラスだけ所謂学級崩壊のような状態になった。
財前は自分のクラスが学級崩壊になっていることさえ気づかず、あいかわらず授業中だけハンドルを握り続けた。

響花は財前の授業が好きだった。そして授業中以外の浮遊する財前のことも好きだった。
節分の日、給食に落花生の小袋が付いてきた。響花の班でぼやんとだけしていた財前に、響花は落花生をぶつけてみた。
財前は我に還り、響花を見つめた。
響花は「先生はもうさ、財前で行っちゃって良んじゃね」と言った。

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