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sanaearts
【毎週ショートショートnote】哀愁の燻製
「哀愁漂う人が好きなの。」
俺は完全に脱糞した。
フラれちまった、ってことだ。
こんなに一回分しっかりと脱糞出来ることなんて滅多にない。
だが男ってモンは、そんな簡単に糞切れる生き物ではないのだ。
ズボンに挟まったトイレットペーパーみたいに引き摺るものなのだ。
それが失恋ってヤツだ。
友だちは慰めてくれたが、
俺のケツの穴…ではなく、耳の穴には届かなかった。
そんな状態が一年続いた。
すっかり発酵した失恋が香しい匂いを放っていた。
築60年木造モルタル二階建の二階部分が全焼した。
俺はそこで寝てた。
炎に囲まれた。
窓から飛び降りるしかない。
意を決して一、二の三で飛び降りた。
あぁ。無け無しの家財道具が…
そのときの俺はメガネが割れて頭もチリチリの顔もススだらけでドリフのオチみたいな状態だった。
俺は閃いた。
今の哀愁なら、もう一度あの娘にアタック出来るじゃないか!
裸足のまま、あの娘の住む街へ走り出した。
俺が発する強烈なスモークチーズの香りがこのつまらない街を少し刺激的にしていた。
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産みの苦しみ。まさに捻り出したような難しいお題でした…
