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【駄文】現象と妄想 -大島渚と野坂昭如の喧嘩より-

非常に考えさせられる映像です。

僕はこの36秒の中に、名誉の危うさを見ました。
名誉は目に見えないため、なかなか分かりづらいものですが、「脳の動きを逐一言語化する」という斬新な手法により、視覚化に成功しました。
その作業をする中で、止むを得ない事ですが、僕の妄想もごく僅かに混入してしまいました。
それは誤差の範囲と考えます。
きっと「あーコレは誤差だわ」と感じ取って頂ける筈です。

【処理手順】
1 映像を視る。
2 文章を読む。

実施頂ければ、幸甚であります。

1 映 像

2 文 章

野坂の鋭いアッパーカットが大島のチンにヒットした。

野坂の脳は、スピーチを数時間も待たされた怒りを晴らしてやろうと、虎視眈々と其の機を狙って居たのだ。

不意を突かれた大島は蹌踉よろめき、同時に掛けて居た眼鏡が、顔という名の巣箱から巣立ち、美しい放物線を描いた。

ほんの一秒足らずの出来事で有ったが、大島の目の前に、星が煌めいた。

我に返る。

大島の鈍い脳でも、充分に状況を把握する事が出来た。

「俺は殴られた」のだと。

「『映画 戦場のメリークリスマス』を監督した程の明晰な脳が脅かされた。」そう思った。

「殴られる直前まで、俺は野坂の企ても察知出来ず、へらへらと薄ら笑いを浮かべ、あまつさえ「ありがとうございました」だなんて言って居た。自分が情け無い。悔しい。」そうも思った。

そして遂に、「みんなが見ている前で辱められた。名誉が傷つけられた。」そう思って仕舞った。
その瞬間、腹の底からむくむくと怒りが湧いて来た。

大島の脳は「仕返しがしたい」という答えを弾き出した。

大島の脳はクロック数が低い。
其の思い通りに成ら無い緩慢な脳で、ぬるぬると右腕に指令を出し、持って居たマイクで、野坂の明晰な頭脳に打撃を加えた。

「痛い!」

野坂の、日頃から難解な事ばかり考えて居る脳はそう感じた。

「スピーチを数時間も待たされるという、軽い扱いを受けて、先に名誉を傷つけられたのは俺の方だ。参議院とはいえ、国会議員経験者だぞ。俺は。」

大島のそれとは全く別の、理路整然とした頭脳は朗々と語った。

其の演説の隙に、大島脳は二度目の打撃を加える様、指令を出して居た。
だが、その脳は例えるならば、「寄生獣の三木」レベルで有り、辛うじての制御が精一杯で有った。
従って其の打撃も、クリティカルヒットとは程遠いモノに成って仕舞った。

二人の傍で、柔らかい微笑みを浮かべて居た、白い和服女性のAI脳は、此処に至ってようやく異変を察知した。

「コレハ、ケンカダ!」と。

トメナクテハ!

「ヤメテ!オフタリサン!ネェ!アンタタチッタラ!ミットモナイワヨ!」

二人の興奮は収まる所を知ら無かった。

何故なら此れは、お互いの思い込みが作り上げた、「名誉」を賭けた戦いなのだから。

NO MORE WARS!

以上です。
ご清聴ありがとうございま…ボゴッ!

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