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引き返せていたかもしれないタイミング③

まだまだあるよ、黒歴史。
今回は短め。になる予定。

最初の借金(私から見たら貸金)から3か月ほど経ったころ、転職活動真っ最中の彼奴のいとこが結婚することになったらしい。
おめでたいね。自分がどんな状態であれ、誰かに起きた幸せなことは素直に喜べる自分でありたい。
でもね、いつだって幸せな気持ちは長く続かないもの。
馬鹿がそばにいるときはなおさら。

「だから、金貸して」

このころ、すでに貸した金額が50万円を超え、慣れのせいか彼奴の中でお金を借りることのハードルがだいぶ下がったらしかった。
ずいぶんライトに言い出すじゃねえの。
彼女に金借りる恥ずかしさも、情けなさも、消えてなくなったかい?
そんな怒りから、次に発した言葉が
「あぁ?」になってしまった。
彼奴は若干怯んだものの、あたふたと説明を始めた。
「お祝い何が欲しい?って聞いたらダ〇ソンの掃除機がいいって言われて・・・」
「あのね」最後まで聞いてられるか。
「何が欲しい?って聞き方は、何が答えでも対応できる人だけができるんだよ。無職のシャッキングが発していい言葉じゃない。
人の金でお祝い送ってむなしくないか?それでドヤってみせるって恥ずかしさはないわけ?
どうしても借りたいなら借用書にあんたのお父さんの連絡先を明記して
連絡が2日途絶えたらすぐさま借金の件を伝えるという内容を記載する条件付きで」

本来の私ってこうなんだよね。
手加減、てわけじゃないけど男の人の面目をつぶさないように
普段は言いたいことのすべては口に出してない。
でもこのときは全開でプライドをつぶしにかかった。
生活に最低限必要な金額しか貸すつもりはない、という約束を忘れたみたいだったから。
年下のいとこさんとやらにいい格好をしようというプライドなどズタズタにしたところで何の問題もないだろう。
彼奴は押し黙り、「・・・ごめん」と小さく口にした。
「お祝いがしたいなら自分で。人を財布扱いするような奴は軽蔑する」
「・・・わかった。ごめん」
これすでにけっこう末期だな。
それでも愛情があった、とは思う。真剣に怒ったのはその表れだろうし。
ただ、彼奴に借金の慣れが出始め、感覚が変化してきたことへの危惧はかなり感じた出来事だった。


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