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グラン・パレに帰ってきた! エルメス主催の国際馬術大会 Saut Hemès(ソー・エルメス) 2025

こんにちは。
今年もソー・エルメスの取材にパリへ。2010年から始まった障害飛越競技の国際馬術大会ソー・エルメス。今年は、3月21、22、23日にグラン・パレで開催されました。

4年に及ぶ改修工事を終えたグラン・パレでの開催。おかえり!な2025年。
(記事「エルメス主催の国際馬術大会 Saut Hemès 2024(ソー・エルメス 2024)」)

少し早めにプレスの入り口から入場させていただく。

1901年から1957年までグラン・パレでは定期的に国際馬術大会が開催されていましたが、戦争などの影響で中断。それを2010年、53年ぶりに復活させたのが馬具商エルメス。ソー・エルメスの誕生です。

太陽光がたっぷり入るグラン・パレはやはり気持ち良い!

ソー(saut)はフランス語でジャンプの意。ソー・エルメスは、フランス馬術連盟と国際馬術連盟が認定する最高レベルCSI 5*(ファイブスター)の大会なのです。

待機馬場での馬と選手を見られるのも嬉しい。

今年もコースデザイナーは、2018年からエルメスと協働しているスペインのSantiago Varela Ullastresとフランスの Grégory Bodo。

「エルメス」な障害。

コースデザイナーは馬の安全に細心の注意を払いながら、5.5歩という難しい踏切位置の障害を仕掛けたり、落とし穴が散りばめられたりといったコースを、赤外線でスタートからゴールのタイムを計る電飾技術のスタッフらと共に設定します。

クラスごとにコースデザインは変更されます。

Volvo Car Franceがライダーの輸送や障害物の設置に車両を提供。

2台の新型ボルボEX90(最大 2.2tの牽引が可能)が障害物を設置するためのトレーラーを牽引。
7年目のボルボとの協働。

このコースデザインが選手に公開されるのは競技が始まる15分前。
選手だけがコースを下見でき(馬は本番で初めて走る)、自分の馬の得手不得手や性格などすべてを頭に入れながら、この15分間で歩幅や踏切位置、進入角度などを頭に叩き込んでいきます。

歩幅を数える選手たち。

例えば2019年のグランプリのコースルートはこんな感じ。障害を飛ぶ順番を間違えたら失格です。

3D Course Plan of the Round A of the Grand Prix at Saut Hermès

馬場は勿論、馬が通る場所には彼らの脚に負担をかけないよう特注の馬場砂が敷かれています。

ショー ジャンピングと呼ばれる障害飛越競技は、設置された障害物を決められた順番通りに飛越し、ミスなく早くゴールすることを競う競技。

バーを落下させたり、馬が障害の前で止まってしまったりなどの反抗は失点、落馬してしまうと失権となります。

トップレベルの大会では障害の高さは165cm、幅が200cmを超えるものもあり、大迫力の「人馬一体」を体感することができます。

走りながら的確に馬に指示を出し飛んでいきます。
障害を飛んでいる時、視線はすでに次の障害を捉えます。この時頭の中では侵入角度、踏切位置を瞬時に計算しています。

障害を2つ並べて幅を出すオクサー障害。踏切とバランスが大切。

馬に動きを伝える基本的な手段は、重心移動、両脚、両手の5つ。とても小さな動きの中に驚くほど多くの情報が込められています。

乗っていて、飛んでいて感じることは人馬の強い信頼関係。馬はとても純粋な生き物。自分の背に乗る人の気分を鋭く感じ取ります。「人馬一体」とは馬との精神的な繋がりを表す言葉だと私は強く感じています。

今年も会場には馬に纏わる様々なブースが設けられていました。
馬術の冒険に参加できるVRや、

銀座でこれ乗って酔ったわ〜(記事「『ランタンエルメス』12ヶ月をふりかえる」)

鞍や鞭のデモンストレーション。

ハミと腹帯の美しさに見惚れる。

馬に纏わる本屋さん。

ソー・エルメス限定品が購入できるブティック。

なんと!今年はブレスレットの販売がないんですって。毎年変わるチャームを楽しみにしていたのに…。Saut Hermès 2025のカレと、

香水「Paddock」はありましたが。

Saut Hermès 2025 エディション

ブレスレットないのね〜と残念がっていたら、「ソー・エルメス限定のゼッケンはどう?」とオススメされたけど、自馬持ってないのよね。

ゼッケンって馬の背と鞍の間に敷くパッドのことね。

子どもたちにはポニーやひつじと出会える小さなパドックが用意されていました。

グルーミングのワークショップや
塗り絵も。

Chavilleポニークラブによる15分間の小さなショーも。

カワイイ流鏑馬ね。

興奮してお腹が空いたのでお昼ごはんをいただきに。
関係者に用意されていたのは、ディミトリのベーしてる馬がカワイイ空間。

(記事「ピエール・エルメ・パリ Noël 2024はディミトリ・リバルチェンコと協働。テーマは鉱物!」)

チーズも美味しそうだし〜とウロウロしていたら、「何好き?」と色々サーブしてくださった。

重いものはいらなかったので、野菜中心にチーズをお願いしたら、

次々と美味なるものを持ってきてくださった。merci

お腹いっぱいになり落ち着くと、目に飛び込んでくるのが麗しき鉄製のアール・デコ装飾。

美しき曲線。

そして今年楽しみにしていたのは、久しぶりのバルタバスによるエキシビション!エルメスの年間テーマである"Drawn to craft"を祝う作品です。

バルタバスは、1984年に騎馬スペクタクル「Zingaro(ジンガロ)」を立ち上げ、馬の調教から制作、演出を全てこなす「現代のシャーマン」と呼ばれる馬術家。ヴェルサイユの大厩舎も再生し、2003年べルサイユ馬術アカデミーも立ち上げています。

べルサイユ馬術アカデミーの女性ライダーと馬たちが繰り広げるスピード感ある夢。渦巻き、なびき、疾走し、脈動する夢。

物哀しく美しかった夢の跡。

ワルシャワ出身のアーティストJan Bajtlikにもお会いできた。

昨年10月に来日された時、2019年のカレ『アニマポリス』にサインしていただいたことを思い出しました。

Janのデッサンは、「どんなに限られた空間に閉じ込められても自由を失わない」という世界を魅せてくれる。

小さな頃から馬好きな私が障害飛越という競技を知ったのは小学生の時。乗馬雑誌で「馬具商エルメス」を知ったのもこの頃。
上原きみこの馬術漫画『ロリィの青春』をボロボロになるまで読み込み、ごくふつうの家庭で育った私はどうしたらこの世界に入れるのか、いつかこの世界の片鱗を体験したい!と思い続けてきました。そして高校時代に障害飛越にのめり込み、馬の体温を感じながら飛ぶ、という世界を知りました。

だから私にとってエルメスはファッションブランドではなく馬具商。今でも少しづつしか購入出来ませんが、鞍(サドル)を縫うサドルステッチで手縫いされたバッグを持つ時も、ブレスレットを装着する時も、エルメスは馬装感覚が再現され、馬と一緒にいる気分になれる時別なメゾンなんです。

建設された翌年の1901年にはHippiqueと呼ばれる馬を讃えるイベントが開催されたグラン・パレ。壮大な4頭立てのブロンズ戦車が見守ります。
ソー・エルメス開催にふさわしいパリの中心地。

グラン・パレの外に設けられた馬場。
この時期パリの街がSaut Hermèsに染まるのが好き。

さて、フォーブル サントノレへ。
シルバーを見せていただいてたら、ん?ドレサージュな方が。

ソー・エルメス開催期間はこの装いで店内をガイドしてくださるそう。

鞍と

花火師に挨拶して

左岸のセーヴル店へ。ウィンドウの馬が楽しそうにジャンプしていました。

少しポップになったセーヴル。改装前の方が好きだったな。

セーヴルは唯一"petit h"を常時取り扱っている店舗で、

床に埋め込まれた小さなメタルが"petit h"らしさを醸し出していました。

誰も気づかないであろうこういったところにまで、意識を行き渡らせているメゾン。好きだわー

世界トップレベルの選手たちと馬、その息づかいを感じることができ、とても幸せな時間を満喫しました。

Saut Hermès 2025 at the Grand Palais

素敵な夢をありがとう。

また来年。

(Hermès Japon 掲載許可済)





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