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誰もが頑張れば同じようになれるなんて信じなくていい。人生の根本理解の話


ホリエモンがこんなこと言ってました。

全体として彼が言いたいことは「日本人は細かいどうでもいいこと気にしすぎなんだ」ということなんでしょうが、

分からんくはない。

確かに日本社会というのは必要のないところに精神性を求めてごちゃごちゃごちゃごちゃうるさいものだ。


けど、こういうのって無限に聞くじゃないですか。

自己啓発本,動画でも。


で、得てしてこういうのが『成功者の法則』としてとりあげられるでしょう。

それはほんとバカバカしいよ。


ほんとによく考えた方がいいのは、

「誰でもその気になれば別人になれるのか」です。


たとえば逆に、ホリエモンがもっと繊細で配慮の行き届いた人間になれるのか? 無理でしょう。


人間の性格ってのは変わりません。

人間関係を人一倍経験してる人,

人をよく観察する人には分かるのではないでしょうか。


家庭環境や、ブラック企業経験で変わるのは、あれは性格ではなくて「考え方」や「常識」です。

あと、「精神状態」。

そのへんは国・家庭・学校生活・職場環境によって変わりますよ。


こんなん観たら個人の性格ではなくて国の常識・モラルが違うのだと分かるし。


看守と囚人の心理実験からも分かるように、

そういう環境にいればそういう考え方・価値観・常識になるのがヒトではあります。

(おなじように、日本人の思考回路が臆病でネガティブ・ネット弁慶の空気読み主義なのもこの国の社会全体の空気が影響してるでしょうなぁ。そしてそれは日本人として日本で生きてる以上、そうそう変わらない。)



そもそもの話

性格ってのは、まず個人の能力・性質によって決まります。


一例ですが、

身体が強くて運動神経がよく、日ごろ細かな体調不良に悩まされない人間と、

身体が弱くて(つまり内臓の性能が低くて)運動神経もなく、平常時でも体調の悩みを抱えているような人間とでは、

やっぱり性格は違うでしょう。


ホリエモンなんか観ていると、明らかに年齢の割に健康で体力も十分ある。

通常、人間は年齢とともにどんどん衰えて、気力や興味も人並みに無くなっていき、日々の仕事をこなすことでいっぱいいっぱいになり、こんな活動なんてとても出来なくなります。

戦闘機に乗って高Gを受けるなんてこと、普通のアラフィフならできませんよ。


もっと上を観るならば、ホリエモンがどんだけ真面目に打ち込んだところで、きっとトム・クルーズと同じことは出来ないでしょう。

頑張れば誰でもできることなら、

「トム・クルーズ頑張ったね!」で終わりでしょう。

「すごいなぁ」とは成りません。


あるいは、誰でもその気になりさえすれば消防士とかオリンピック選手とかに成れるわけじゃないでしょう。


身体が丈夫で体力・エネルギーがある人というのは、活発になり、声が大きくなり、筋肉もつきやすく、神経も図太くなるもんですよ。

実際、僕も弱いなりに20代前半の頃は人並み以上に鍛えていたので(毎日欠かさず、帰ってきてから3kmは走って筋トレしてって感じ。)、スタミナに関してだけは、人並みか、少しだけ人並み以上のものを有していたんですが、その頃はやる気も声量も人との交流も、今よりぜんぜん有りました。

それが30過ぎたらごまかせなくなりましたよ。


または例えば、

妻子が居る50代、まだまだあっちのほうに満足できず、若い子買ってるようなおじさんというのは、絶対体力あるでしょ。

成功者とか人生を周囲よりもバリバリ頑張っている人,行動的な人,能動的な人ってのは基本的に性欲旺盛と考えていいです。特に男は。


ホリエモンがよく「こうすりゃいいじゃねえか!」というロジックを投げかけてきますが、あれは強者だから言えることで、当然誰でも真似できるわけじゃありません。

弱者というのはやはり、弱者なりの生き方になりますよ。


たまーにこんなこと言ってると、どんなダブスタやねんと思いますね。

そもそもこの話に出てくるキックボクサーの方も、トレーニングに一生懸命打ち込むポテンシャルがある時点である種の強者ですし。


統計のお姉さんサトマイも、商売のためとはいえ、こんなこと言い出すなら統計の専門家名乗るのやめたほうがいいと個人的には思う。




ここで人生の基本,人間個人の生き方の基本を簡潔に言っておきますと、

人生というのは、各々、与えられた条件の中で、それぞれの能力と欲求に従って生きるものです。

これは、人間観察をよくしていれば、絶対であることが分かると思います。



「誰もが頑張れば同じような人生を送れるものだ。やる気次第だ」などと考えている人は、一度こういう世の中の現実を吸収したほうがいいと思う。


↑この辺勉強になりますよ。




そもそも、日本人がなにかにつけて人生の成功法則に持ち出す『努力』というのだって、本人の興味・衝動から来るものですからね。

「これがしたい」「これが好き」「こうなりたい」

あるいは「絶対こうなりたくない」という。


それと、興味を衝動に昇華させるだけの生命エネルギーは必須です。



学ぶことが好きな人も嫌いなひともいるし、いつ興味の芽が出るかも分からないし、そのジャンルも様々でしょ。


事実、上で僕が貼り付けた動画や記事もまったく観ない人も多いはず。



「いやまぁ、その気になれば何でも学べるし、何でも極められるけどね? あえてそうしないだけだよ。だって人と同じ人生なんてつまらないじゃん?」

そんな気分で生きてないでしょ誰も。


もちろん、ホリエモンが出来ないことも無限にあるはずですよ。


「誰もが同じ人生を送れるわけではない」

「人生は不平等で、優劣が実在している」

このことを人間は認めたくないものだから、

人生を思い通りにするスピリチュアルだとか、「成功者は皆こう考えていた!!!」とか、「人間に上も下も無い!あなたはそのままで美しいし素晴らしい!!人の言うことなんか聞くな!!」

などという啓発コンテンツが売れ続けるわけです。


弱っている状態のときに、そういうものに一気に頭を侵食されるわけです。


でも僕は言いたいですね。

人も人生も皆同じなら、

誰のことも尊敬できなくね?と。


運動神経,度胸,やる気,興味関心,スタミナ,集中力,忍耐力,大胆さ,冷静さ,計算速度,熟考力,記憶力,美貌,男性性・女性性,カリスマ性,感受性,音感,歌唱力,言語習得能力,言語整理能力,手先の器用さ,病気のなりにくさ,興味関心

そういうのの強弱・優劣がちゃんと存在するから、

人は他人を尊敬できるんじゃないんですか。


時に、「自分のこういう、人よりも〇〇なところは好きかも」とか、思えるんじゃないんですか。


それにね、優劣もないし善悪もないみたいな、意識高いフィクションものみたいなこと言ってたら、世の中めちゃくちゃになりますわ。

誰がなにやっても言ってもいいんだから。

どんな論理も正当化されるんだから。


ホリエモンみたいな成功者があの年齢でまだ貪欲になれるのも、

個体差があって、興味や衝動があって、

そしてこの世に勝利や、成功や、利益というものが存在するからでしょう。


人間、なんの快楽も希望も得も無いのに頑張ろうなんてしませんよ。


大谷翔平だって井上尚弥だって、好きだから頑張ってるんだから。

好きで、出来るからやってるんだから。


頑張れば誰でも出来るなんて思っちゃいけない。

それは他人の能力に対して、

その人がその人であることに対して失礼だ。



歴史や人生,経済,生き物,科学,宗教など、

「こんなのもあるんだ―」と漠然と色んな場所や人を観察して、

世の中をちゃんと観るほど、いろんなことを知るほど、

世界は不条理で、

人生は不平等で、

同じ人間は居ないことが分かると思う。


自分が自分であることに、

価値を見出すならそこしか無いだろう。


優れているに越したことはない。

恵まれているに越したことはない。

金や名誉をもらえるに越したことはない。


だが、人生、根本的には、

自分なりに頑張ってきた。

悔いはない。

と思えればそれでいいのだと思う。


ていうか結局そこに集中するしかないのよ。


そういう意味においては、

人のことなんかいちいち気にしてちゃいけないでしょうね。


人生どこまで行っても、

つまるところは自分の満足・納得の物語です。



人それぞれ育ちも能力も違う。

他人と自分は違う。

優れている人も劣っている人も居る。

成功も失敗もある。

妙案も悪手もある。

その時々の精一杯もある。

恵まれている人もいない人もいる。

健康・健全な人も居る。そうでない人も居る。


本当にその基本がわかれば、


人生に疲れた人を見ても、

会社辞めて無職になった人を見ても、

家庭がうまくいっていない人を見ても、

長い間働けていない人を見ても、


そっかー そういうこともあるよね

と思えるんじゃないですかね。


僕は物を知ることの核心的な価値はそこにあると思う。

人生とはどういうものなのか。

この世界とはどういうものなのか。

それを理解することにあるのだと。


世の中のありのままを認めて、

なら自分が自分である価値はどこにあるんだろうと模索する。

それが、

個としての強い自我・自覚を持ってしまった人間の、

最大共通課題なのではないですかね。


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