これ、全国共通じゃなかったの?広島のお盆と盆灯籠
お盆になると、墓前にカラフルな灯籠を立てる。
自分にとっては、それが当たり前でした。
赤、青、黄色、緑……。
色とりどりの盆灯籠がお墓に並ぶ光景を見て育ったので、当然のように全国どこでもやっているものだと思っていました。
ところが、大人になって県外の人と話していると、
「お墓にカラフルな灯籠を立てるの?」
と驚かれたことがあります。
そこで初めて気づきました。
「あれ? これって広島だけなの?」
盆灯籠は、広島、とくに安芸地方を中心とした地域で見られるお盆の風習です。
お盆が近づけば、盆灯籠を買う。
そして、お墓に供える。それだけです。
自分にとっては、季節の風景の一つでした。
こういうことって、案外多いのかもしれません。
地元では誰もが知っている食べ物や、昔から続いている行事、方言など。
「これは全国共通だろう」と思っていたものが、実はその地域独特の文化だった。
大人になって初めて、それに気づくことも多い。
すると、それまで何気なく見ていたものが少し違って見えてきます。
盆灯籠も、以前より大切なものに感じるようになりました。
私は特に宗教的なこだわりが強いわけではありません。
それでも、お盆になってお墓に色とりどりの盆灯籠が並ぶと、
「今年もお盆が来たな」
と感じます。
子どもの頃から見てきた風景だからでしょう。
もちろん、時代が変われば風習の形も変わっていくでしょう。
盆灯籠を取り巻く環境も、昔とは違ってきているのかもしれません。
だからといって、昔の形を何が何でも残さなければいけない、と言いたいわけでもありません。
ただ、自分が子どもの頃に当たり前だと思っていた風景を、できることなら次の世代にも見てほしい。
そんな気持ちはあります。
地域の風習というのは、そこに暮らしている人にとっては「文化」というより「日常」なのかもしれません。
だからこそ、なくなって初めて、その大切さに気づく。
広島のお盆に並ぶ、色とりどりの盆灯籠。
県外の人から見れば、ちょっと珍しい風景なのかもしれません。
でも、私にとっては、子どもの頃から続いている夏の風景です。
今年もまた、あのカラフルな盆灯籠を墓前に供えます。
そして来年も、その先も。
当たり前だと思っていたこの風景が、できるだけ長く続いてくれたらいいなと思っています。
