ぼくとじいちゃんの、ゆっくりな散歩道
朝の光が柔らかく差し込む時間、ぼくは今日もじいちゃんの隣を歩いている。
じいちゃんは少し足取りがゆっくりだ。だから、ぼくもじいちゃんのペースに合わせて、くんくんと道の草の匂いを嗅ぎながら歩く。 リードの先から伝わってくるのは、じいちゃんの穏やかな手触り。
「よし、行こうか」
そう言われて歩き出すこの時間が、ぼくは一番好きだ。
急ぐことは何もない。 街路樹の緑や、通り過ぎる風の音、ときどき出会うご近所さんとの挨拶。 そんなささやかな景色を、じいちゃんと一緒に分かち合う。
ときどき、じいちゃんが立ち止まると、ぼくもじいちゃんを見上げて「どうしたの?」と合図を送る。 じいちゃんは笑って、ぼくの頭を撫でてくれる。
じいちゃんの散歩を手伝っているつもりだったけれど、実は、ぼくの気持ちを一番支えてくれているのは、じいちゃんの方なのかもしれない。
今日も、のんびりいこう。 じいちゃんとぼくの、いつもの散歩道。
