見出し画像

わたしの愛する愛犬くんへ

君が慢性腎臓病になり、自宅で皮下点滴をすることになった。
皮下点滴とは、皮膚と筋肉の間の空間に注射針を刺して、輸液剤を入れる点滴方法だ。
先生から自宅での皮下点滴の話があった時は、とうとう来たかと、崖っぷちに追い詰められたような感じがした。

今の状態からすると、皮下点滴は毎日やるほうがいいという。
君に毎日注射針を刺すなんて、辛すぎる。もう胸が苦しくなった。

点滴するにあたって一番心配だったことは、君に嫌われるかもしれないということ。
これからわたしは、君から見れば痛いことをする人になる。
君との関係が壊れるかもしれない、という不安が大きくてとても怖かった。

でも、君のためにやるしかない。
先生に、「やります。」と返事をして腹をくくった。

そして、点滴初日をむかえた。

君はベットに寝ていた。気持ちよさそうだ。まさか、これから注射針を刺されるなんて、思いもしないだろう。

手が震えるほど、ドキドキした。

チクッ!
注射針を刺した。
「キャンッ!」
君が鳴いた。
わたしのこころが、ズキッと痛んだ。

この初日の点滴の出来はというと、
君の鳴き声にひるんでしまって、ちゃんと注射針を刺せないわ、輸液剤を大量に漏らしてしまうわで、散々な有様だった。

でも、やるしかない。
やって慣れていくしかない。
あしたも、あさっても、その先も。
先生が言っていた「慣れです。」の言葉が、不安でおびえるわたしを支えてくれた。

自宅での皮下点滴をはじめて、もうすぐひと月になる。
心配していた君との関係は変わることなく、ほっとしている。

ただ、切実に思うことがある。
できるならば君の痛みをわたしが代わりに引き受けたいと思うのだ。
そうすれば、君は痛みを感じることなく点滴をうけることができる。
痛みはわたしがもらう。
そんなことが出来たらいいのに、と本気で思う。

チクッ!
今日もわたしは、ちいさな君の背中に注射針を刺した。
注射針を刺す瞬間は何回やっても、こころが痛む。
やっぱり、痛いのは嫌だよね。
じっと耐えてくれてる君は、ほんとにえらいと思う。
ありがとう。
















































いいなと思ったら応援しよう!

ゆきロン よろしければ応援お願いします。頂いたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。