大企業の新規事業開発のリアル #0 求められること
この記事を読んでほしい人
大企業の新規事業開発ってどんなものなのか、少しでも興味がある人
大企業で新規事業にチャレンジしたい人
大企業の中で、新規事業を生み出す仕組み作りに挑戦したい人
筆者はこれまで”幸せ”や”人間”についての記事を書いてきましたが、
自身のキャリアのほとんどを新規事業開発、それも大きな企業で過ごしてきました。
もしかするとそこで得た知見はどなたかの役に立つかもしれない、
そんな想いで、「大企業の新規事業開発のリアル」をシリーズとして、これから少しずつ書いていきます。
なお筆者の書く内容は、人材や組織の話に傾いていると思います。
それでも興味のある方は、ぜひご一読ください。
読んで頂く前に
まず前提として、連続起業家のように「自分は圧倒的な個である」という自負がある方、いわゆる“スーパーマン”タイプの方は、この記事を読むとイライラするかもしれません。すぐにこの画面を閉じることをおすすめします。
なぜなら、筆者はスーパーマンではなく、まだまだ弱く、普通の人間、つまり凡人だからです。スーパーマン方からすれば、「何を当たり前のことを言ってるんだ」と感じるかもしれません。
ただ、逆に言えば、「自分はまだ凡人である」という現実を受け入れられる方にとっては、本記事が少しでも参考になる可能性はあると考えています。
新規事業開発の現場
「新規事業」と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。
経験のない方であれば、
キラキラしている
ワクワクしそう
とんでもない熱量の人がたくさん居そう
そんなポジティブな印象を思い浮かべるかもしれません。
私自身も、かつてはその一人でした。
上記の印象は間違っているとは言えませんが、合っているとも言えません。
最初にお伝えしておくと、新規事業のプロセスは想像以上に泥臭く、地道なものです。多くの書籍でも指摘されている通り、本当に“泥臭い”のです。
キラキラしているのは表側だけで、裏ではみなさん大変泥臭く動いておられます。
それでも興味のある方は、ぜひ実際に足を踏み入れ体験していただきたい。経験に勝る知識はありませんからね。新規事業開発からは、本当に多くの事を学ぶことができます。筆者もとても育てていただきました。新規事業開発の現場には、成功の是非に関わらず、得難いものがたくさんあります。
しかし世の中に新たな価値を“事業”という形で届けることは、本当に難しいです。筆者が見てきたのは大企業に関するものだけです。しかしきっと苦労する点は異なると思いますが、大企業とスタートアップで難しいことには変わりないと思います。
この世の中で新規事業開発の方法論については、多くの書籍やコンサルのサービスがあります。けれども新規事業が確度高く軌道に乗っていくことはない。つまり進め方に正攻法がないのは明白なのです。答えのない問いに、日々向き合うことが求められます。
私自身は、売上1兆円を超える製造業系の大企業において、新規事業の創出・推進に携わってきました。スタートアップではまだ経験がありませんので、その話はできません。
この「大企業の新規事業開発のリアル」シリーズでは、その経験をもとに話を進めていきます。
大企業で新規事業を進めるために求められること
大企業で新規事業開発を行う場合、必ず以下の2つの論点が発生します。
・新規事業開発に求められる仕組み
・新規事業新規事業開発に求められる人材・組織
筆者はどちらかというと、後者を重視しています。
なのでその話をしていきます。
テーマオーナーに必須の「3つの力」
まず前提として、新規事業のテーマを社内で立ち上げて前に進めていくには、テーマオーナー(発起人・リーダー)に以下の3つの力が必要です。
意志力(WILL)
巻き込み力
実行力
この3つの力を兼ね備えた人がいて初めて、大企業の中でテーマが“スタートライン”に立つことができます。それぞれの力にもレベルがありますが、多少弱くとも構わないので、3つの全てを同時に持っている必要があります。
もちろんこれらの力を持ったテーマオーナーがいれば、必ず成功するわけではありません。それでもこれらを欠いたまま成功することはまずありません。私自身がテーマ推進の当事者として、また100を越える他テーマを見てきた経験から強くそう感じています。
この3つの力の詳細は長くなるので、今後の記事で詳しく述べていきます。
チームでの挑戦がカギ
上記の「3つの力」をある程度持った人材を核にして、チームで取り組むことが、大企業で新規事業を進めるうえでは不可欠です。
理由はシンプルで、大企業には知的に優秀な人材は多いものの、スタートアップのCEOや共同創業者と比べると、熱量や上記3つの力において個人では劣ることが多いからです。それもそのはずで、そうした力を持つ人材は本来起業家気質であり、大企業にはなかなか集まりません。
しかし、大企業の人材は「組織で動く」ことに慣れており、数人の力を結集することでスタートアップのCEO並みのパフォーマンスを出すことも可能です。
つまり、初期段階からいかに「強いチーム」を形成できるかが、大企業での新規事業開発において極めて重要であり、それがイントレプレナー(社内起業家)に求められる視点なのです。
フェーズごとの人数イメージ(製造業大企業の場合)
本当にざっくりになりますが、社内でテーマを進める場合、フェーズごとの人数イメージは以下です。
アイデア出し〜コンセプト設計、初期事業仮説作り&POC作成:1〜2名
POC作成後の事業仮説ブラッシュアップ&検証段階:2〜3名
技術開発&顧客開発、有償でのサンプル or サービス提供段階:4〜5名
プロダクトローンチ(市場にモノを出す):〜10名
スケール段階(売上数十億規模):〜30名
業種やビジネスモデルによって異なりますが、メーカーの場合はスケール段階で「1人あたり年間売上1億円」が事業継続の目安となるという話があります。当たり前ですが、フェーズが進むほど巻き込まなければいけない人数はどんどん増えます。ある意味その「人を集める」というのが、大企業を問わず新規事業開発を行う上での最大の障害かもしれません。
次回予告
次回以降は、「スタートラインに立つためにテーマオーナーに求められる3つの力」の詳細について、1つずつ述べていきます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。今後も書き続けていきますので、「♡」や「フォロー」をしていただけますと大変嬉しいです。
