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大企業の新規事業開発のリアル #1 スピード感

この記事を読んでほしい人

大企業の新規事業開発ってどんなものなのか、少しでも興味がある
大企業で新規事業にチャレンジしたい
大企業の中で、新規事業を生み出す仕組み作りに挑戦したい

この記事では、大企業における新規事業開発のスピード感について、人材面ではなく仕組みの観点で書いてみました。

・なんで大企業の新規事業開発はスピード感が遅くなるのか?
・スピード感を早めるためには?

よく大企業における新規事業の問題点として、スタートアップと比較した場合にスピード感が遅い、ということが挙げられますよね。

スピード感が遅いと、仮にスタートアップと協業している場合だと足並みが揃わずに協業を解消することになったり、最悪市場の変化に追従できずに商機を逃すことになる、というのはよく言われることだと思います。

じゃあ、何でスピード感が遅いの?という話ですが、意志決定プロセスが長く担当者では決めれないことが多い。それが積み重なって遅くなる、という話がありますね。

ただ私は次のことがより主要因だと思っていて、単純に製品やサービスを上市するまでのレビューのプロセスが長いんですよね。
これは大企業が大企業足る所以で、市場及びお客様からの信頼を積み重ねてきた結果によるものです。
市場での品質トラブルを避けるため、レビュープロセスは長く、しかし洗練されたものになっているのです。ゲートを1つずつ突破し最後まで通過してから商品を世に出す、所謂ウォーターフォール型の開発ですね。
既存事業の商品であれば、ある程度型に嵌めることができるので、レビュープロセスもスムーズに進むこともあります。
ただその会社が扱ってこなかった新規事業だと、レビュープロセスを突破するのに相当苦戦するケースが多いです。

じゃあ、画一的なレビュープロセスは止めて、例えばアジャイル方式等の新規事業に特化したレビュープロセスにすればいいじゃん、という話が出てきます。アジャイル方式とはざっくり言うと、早めにモノをお客様に出しながら、出したあとにも改善を繰り返していく手法です。

ただしこれには次の問題点があります。
・(新規事業担当者の目線)事業企画そのもので手一杯で、レビュープロセスに手を加える余裕はない。
・(新規事業部門の統括者の目線)新規事業に特化したレビュープロセスを作ろうとすると、下手をすると企画ごとに一品一様に成りかねない。不確実性の高い新規事業開発で、そこにリソースを割くリスクは取りたくない。
・(会社としての目線)新規事業に特化したレビュープロセスであっても、上市する場合は既存商品レベルの品質を持ってアウトプットしてほしい。

結局大企業の看板を掲げたままだと、新規事業が市場に出たときに発生するかもしれない品質トラブルは、既存事業にとって許容できないリスクになり得るということになります。
これがアジャイル型の開発スタイルが、上手く浸透しきっていない理由です。

お客様からの信頼を積み重ねてきた結果として大企業になることができたが、その信頼を棄損することを避けるため、どうしても大企業における新規事業開発はスピード感が遅くなるのです。


では大企業において、スピード感を持って新規事業を産み出そうとすると、どのような選択肢があるのか、、、?




2つ目は若干ニュアンスが異なりますが、おそらく以下の3つになるかと思います。

1.既存のレビュープロセスと親和性の高い新規事業開発を行う。
2.市場の潮流を見極め、長いレビュープロセスを踏まえて新規事業開発を仕込んでおき、タイミングよく上市する。
3.大企業の看板を外すため、出島会社を作ってそこで上市する。

ただし制約ももちろんあります。
1のアプローチだと既存事業の滲み出しになりがち。新規事業の目的の1つである、事業ポートフォリオのリスク分散を狙う、という目的には沿わないケースもある。
2は市場の変化が激しいので、新市場における長期間の技術開発、事業開発に踏み切れるケースが自ずと減ってくる。
3は出島会社を作る仕組みそのものがないケースがほとんどのため、出島会社を作るまでのプロセスで最初はスピード感が落ちる。

3のアプローチは国内の大企業が徐々に始めていますね。
おそらく1と2だけではどうしても突破できないケースに直面し、数年前から着手、ようやく表に出てきたのだと思います。

まあ結局のところ大企業は資本力があるため、1〜3のアプローチを比率は変えながら手広くやっていくことを選ぶんじゃなかろうか、と思います。
やれることは何でもやるということです。

もしあなたが大企業の中で何か新規事業のアイデアをお持ちなら、上記3つのどのやり方で進めるのが良いか、最初からイメージしておくのが良いと思います。
実現までのステップが描けて事業開発が少しはスムーズになるはず。



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