見出し画像

「香りを楽しむ」<湿気の多いこの季節、最適の環境>ムスク、フランキンセンスなど“蘭奢待”体験記も

自分の好きな香りを部屋に漂わせるのが好きで、以前はイランイランなど中国西域のイメージのお香に凝っていた。民族雑貨のお店に行って、たくさんの種類のお香の中から、外箱からちょっと香りを嗅いで気になるものがあると何種類か買って家で焚いてみる。初めは煙たい感じが強くて慣れるまで時間が少しかかったが、いつも焚いてるとそのうち部屋に匂いが染み込んで、お香を焚かなくてもほのかに香りが漂ってくるようになる。外から帰ってきた時など、部屋がお気に入りの香りに包まれているとホッとするものだ。

線香タイプのお香だけでなくポットで温めるオイルタイプや、もっと簡単にスプレータイプのルームフレグランス、そして今使っているのは良い香りのするオイルを、100円ショップで売っている専用の小さな石に染み込ませて使うタイプである。火も使わないし自然に香りが漂うので、その時の気分に合わせてさまざまなオイルを試している。

初めの頃はオーソドックスな「ジャスミン」とか「ラベンダー」、柑橘系の「ベルガモット」など試していたが、少しそれでは飽き足らなくなると、オリエンタルな香りにシフトしてきた。次に掲げるのはその例

  • 「ジュニパー」ーーセイヨウネズとも。お酒のジンの香り付けにも使い、ウッディで甘みと苦味を感じる

  • 「パチュリ」ーーシソ科多年草、防虫、香りづけ、エキゾチック、インド産。湿った土、苔むした森、静かな寺院の石畳のイメージ。心に静けさと重心を取り戻す。

  • 「麝香(ムスク)」ーー甘く、粉っぽく、温かみのある官能的な香り

  • 「乳香(フランキンセンス)」ーーミイラの香料、お寺の香り、スモーキーでスパイシー、ほのかに柑橘系が香る。甘め、重めで冬におすすめ

  • 「没薬(ミルラ)」ーー甘く、スモーキー、神秘的。希少性が高いのでお値段も高め。私は香料のお店で試してみたことがあるが、微妙な甘い香りがした。

など、少し選択が偏っているけれど、香りのお店に行くともっとポピュラーな種類や、メーカーが独自にブレンドしたシーンに合わせた香り、例えば「おやすみ前に気持ちを落ちつける香り」とか「勉強する前に頭をスッキリさせる香り」、「疲れをとりリラックスする香り」などなど、見ているだけで楽しくなる香りがそろっている。

そして印象的だったのは、昨年9月に上野の森美術館で行われた「正倉院展」で、「織田信長」が愛好した香木“蘭奢待(らんじゃたい)”の香りが再現され、実際に香りを楽しむことができたことだった。会場にはその香木(レプリカ)があり、見かけは流木のような木材という感じだが、何箇所かその香木を削り取った跡があって、「足利義政」や「明治天皇」などの名前もあった。ほのかに感じる香りは、シナモンや蜂蜜のような甘い香り。他にも色々な香りが混じっているそうだがヒトの鼻では嗅ぎ分けるのは難しく、科学的に分析したところでは300種類の香り成分が含まれていたそうだ。昔はさぞかしもっと香りが際立っていたのだろう。


いいなと思ったら応援しよう!