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夏のしずく

あめがやんだあとの道は
まだすこし しめっていて
わたしのながぐつが
ぽちゃん、とやさしい音をたてた

夏の空気は
あたたかいのに
すこしだけ つめたくて
ほっぺにそっとくっついてくる

みずたまりのうえで
ひかりのしずくがゆれて
それが
だれかの笑い声みたいに見えた

わたしは
葉っぱについたしずくを指でさわって
つめたいのに
どこかあたたかくて
胸のなかが ふわっとひらいた

むかし
やわらかい手が
わたしの髪をなでてくれたことがあった
なまえは思い出せないけれど
そのぬくもりは
しずくみたいに
まだ ここに落ちてくる

せみの声が
遠くでじんじんひびいて
夏の風がひとすじ
ほほをなでていったとき
わたしは空を見上げた

うすいひかりが
そらのはしからはしへ
そっとかかっていて

そのひかりは
なにも言わないのに
わたしの胸の奥の
ちいさな痛みを
しずくみたいに
やさしくほどいていった

だいじなものは
もう見えなくても
ちゃんと わたしの中で
あたたかく生きている

そう思ったら
胸のなかが
ぽうっとひらいていって

わたしは
そのひかりに向かって
ちいさく息をした

ながぐつの先でゆれた水面に
そっと指をのばしたら
夏のしずくがひとつ
わたしの手のなかで
きらりと跳ねた


本詩は 大切なNoterさんの想いに触れた時
胸にそっと生まれたコトバを 紡いだものです
(コメントはご遠慮頂きたく、宜しくお願い致します)

大切なNoterさんの想い



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