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ひとひらの風

ひとひらは
風に託された
名もなき想い

触れられず
言えず
届かず
胸の奥で
静かに泣いていた想い

けれど
風は知っている
消えたように見えるものほど
深く
遠くへ
流れていくことを

受け止められなかったひとひらも
名を持たないままのひとひらも
すれ違いの影に落ちたひとひらも

風の中で
ほどけ
重なり
やがて
誰かの胸へ落ちていく

その胸が
ひとひらを抱いたとき
風は
新しい名を得る

過去でもなく
誰かの続きでもなく
その人自身の風として
また
どこかへ流れていく

風は途切れない
ひとひらは還る
想いは
いつか
必ず
誰かに触れる


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