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やわらぎの芽

やわらぎの芽が
胸の奥でそっとほどけるとき
世界はひとつ深い息をつく

誰かの影に揺れていた日々も
水面に落ちた記憶のように
静かに沈んでいく

風の色が変わったのは
外の景色が変わったからじゃなく
眠っていた泉が
ひかりを受け取ったから

ひとつの言葉が
そっと土をあたため
やわらぎの芽は
気づかれないほどの速さで伸びていく

誰かの輝きに触れたとき
胸の奥で小さな葉が震える
それは嫉妬ではなく
未来の自分を照らす
ほのかな灯り

信じるという行為は
大きな決意ではなく
芽吹きを見守る手つきに似ている
触れれば折れてしまいそうな
やわらぎの芽を
そっと抱くような静けさ

今日もまた
ひとつの言葉が落ちて
淡い輪を描き
その輪の広がりの中で
世界は少しずつ
やわらかい形へと変わっていく




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