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ゆる~く古典の話⑬ 管鮑の交わり

※鮑叔(ほうしゅく)は鮑叔牙(ほうしゅくが)が正式ですがここでは鮑叔で統一します

当時の斉は太公望の子孫が治める地でした…

昔々斉の国に鮑叔という優秀な人が居ました
鮑叔は斉の公子小白(しょうはく)に仕えていました
その鮑叔の親友に管仲(かんちゅう)という者がいて
管仲は同じく公子の糾に仕えていました

2人の主君の公子の父が亡くなった後
君主の座は兄の襄公がつきました
その襄公は暴君で命の危険があった為に
小白も糾も他国に逃れたのでした…

ある時…兄の襄公が従兄弟に殺されてしまいます
その従兄弟が君主に就きますがすぐに殺され
斉の国は君主不在となりました

斉の国内では小白と糾のどちらかを君主にと意見が2分していました
一刻も早く戻った方が君主に就ける可能性が高い状況で2人の公子は斉に戻る事を決めます…

管仲は糾を君主にする為に…
小白を暗殺する事を考えます

管仲は小白の通り道で待ち伏せし
車に乗る小白に向かって矢を放ったのです
矢は見事に小白の腹に当たり小白は倒れます
慌てて小白に駆けよる鮑叔
小白は鮑叔に小声でこのまま次の村まで行き
自分の葬式をあげるように指示をだします
…管仲の矢は小白の腰巻きの留め具に当たり
小白は無傷だったのです
小白はそのまま死んだふりをして管仲を欺く事にしたのです…
管仲は小白の葬式を見届けた後に糾の所に戻ります
そして糾の供をしながら斉に向かったのでした
斉の国に入った公子糾の一行は
既に小白が斉の君主に就き国内を纏めている事を知ります
小白にしてやられた事を悟った
公子糾の一行は元居た国に引き返すのでした

公子小白は斉の君主に就き桓公(かんこう)と称します
鮑叔は宰相に任じられました
桓公は後々の禍根を断つために公子糾の居る国に兵を向けます
斉の軍は相手の軍勢を打ち破ると
公子糾の処刑と公子糾に仕える者達の身柄を引き渡すように要求します
こうして公子糾は処刑され…
管仲は罪人として斉に送られたのでした

公子糾を除いた今
桓公は自分を殺そうとした管仲も殺すつもりでした
それを鮑叔が懸命に引き止めます
桓公は鮑叔に
「親友だからと助けるのは正しくないぞ」
鮑叔は桓公にこう言います
「それは違います!
貴方様が斉の国だけの君主で満足されるなら
私達だけの補佐で充分足りますが
…天下に覇を唱える事を望まれるなら
管仲を宰相として迎える事が必須なのです!」と

桓公は鮑叔に問います
「管仲は人間性も良くないと聞いているぞ」
鮑叔は桓公に尋ねます
「それはどの様な事でしょうか?」

桓公は鮑叔に
「お前と管仲が商売していた時の利益の取り分を管仲が勝手に多く取っていたと聞いている」
鮑叔はそれに対して
「それは管仲の家が私の家よりも貧しかった為にその分多く取っていたのです、私も認めていました」
と答えます

更に桓公は続けます
「管仲はお前から金を騙し取ったとも聞いたぞ!」
鮑叔はまた答えます
「それは本当に私を儲けさせようとして失敗したのです、商売は常に上手くいくわけではありません」

桓公は更に問います
「管仲は色んな所に仕官したがすぐに解雇されている、本当に有能ならそんな事があるか?」
鮑叔は落ち着いた様子で
「それは管仲の能力を見抜ける主が居なかっただけで彼が無能の証にはなりません」

桓公は更に尋ねます
「管仲は戦の度に真っ先に逃げていたと聞くが卑怯者の証拠ではないのか?」
鮑叔は
「それは管仲が年老いた母を故郷に残していたからです。自分が死ねば母も生きていけないと知っていたからです。それは孝であり卑怯ではありません」

……
………

桓公は鮑叔の推薦により管仲を許し
鮑叔に代わり宰相に任じ
鮑叔は管仲の補佐として共に桓公を支えたという事です

管仲は
「自分を生んだのは父母であるが
自分の事を一番知る者は鮑叔だ」
という言葉を残しています

この2人の友情は一生変わらなかったそうです
この友情関係は後世の人々から
「管鮑の交わり」と呼ばれ称えられる事になります…


今回はここまでです
興味を持たれた方がいらっしゃったら
もっと詳細が書かれた物を読んで頂ければ
嬉しく思います

また次もお付き合いの程、宜しくお願いします