あこがれの先に
「わたし、昔、魔女になれるとおもっててん!」
大学生の時に、京都のホテルでバイトをしていた。
私は当時20歳ぐらい。
バイトの先輩に24歳のお姉さんがいた。
すごく笑顔が素敵で、気さくな人だった。
バイトの初日からずっと
「こむちゃ~~~ん!」
と、何かと話しかけてくれてた。
彼女は仕事中も笑顔だった。
英語も堪能。
どんな人とも
コミュニケーションをとることができる。
かっこよかった。
彼女は、フリーターだと言っていた。
『海外に行くことが好きやねん!』
『どこにでも一人で行けんで!
この前インドに行ってなあ・・・』
色々な国の話は聞いているだけで楽しかった。
そしていつも
「こむちゃん、ええわ~!!かわいい!!」
と言ってくれた。
わたしは彼女が大好きだった。
あるシフトがかぶった日のことだった。
『わたし、昔、魔女になれると思っててん!!』
唐突に話し出す。
庭の掃除のために箒を持っていたときだった。
「今やったら飛べるかも!」
彼女は、少し段のある個所から飛んだ。
ふつうに着地した彼女は
「あ~~~~。なれると思ったのに!」
「まだまだ修行がたらんなあ」
と笑った。
「こむちゃんもとんでみて!?」
え?!
と思ったが、私も思い切って飛んでみた。
「ええな!!ええ感じ!!!」
彼女の笑顔はやっぱり綺麗だった。
この日の後に彼女はバイトをやめて、旅に出た。
2年後帰ってきたと知らせが来て
わたしは会いに行った。
彼女はアメリカ人の彼氏と結婚していた。
「こむちゃん!会いたかったで!!!」
あの時の笑顔だった。やっぱり綺麗だ。
彼女は彼にキスをした。
そして彼女はまた彼と旅にでるといっていた。
ずいぶんと時が経っても
彼女のことは忘れられない。
彼女の一部分しか知らないが、
永遠にわたしの憧れである。
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