大がかりな工事は不要。退去を防ぐ「共用部」のちょっとしたメンテナンス
賃貸経営において、今の入居者に長く住んでもらうことは最高の空室対策です。 昨日は家賃滞納の初期対応についてお話ししましたが、本日は「長く住みたい」と思ってもらうための環境づくりについてです。
物件のメンテナンスというと、外壁塗装や屋上防水、設備の総入れ替えなど、数百万円単位の大がかりな工事を想像されるオーナー様が多いかもしれません。
もちろんそうした大規模修繕も時期が来れば必要ですが、入居者の日々の満足度を左右するのは、実はもっと身近な「共用部」のちょっとした状態です。
毎日仕事から疲れて帰ってきたとき、エントランスの電球がチカチカと切れかかっていたらどう感じるでしょうか。 朝、ゴミを出そうとしたときに、分別されていないゴミが散乱して悪臭がしていたら。 駐輪場にサビだらけの持ち主不明な自転車が放置されていて、自分の自転車が停めにくかったら。
部屋の中はどれだけ綺麗でも、毎日必ず通る共用部が荒れていると、入居者の心の中には「ここに長く住んでいて大丈夫かな」という小さな不満と不安が少しずつ蓄積していきます。
逆に言えば、こうした日常のストレスを取り除いてあげるだけで、退去のリスクは大きく減らすことができます。
たとえば、エントランスや廊下の照明を、少し明るめのLED電球に交換する。 これだけで夜間の安心感が増し、物件全体の印象がパッと明るくなります。
ゴミ捨て場に分かりやすい分別の掲示物を貼り、定期的に清掃をして清潔に保つ。 駐輪場の放置自転車に警告札を貼り、ルールに則って定期的に撤去してスペースを確保する。
これらは何百万円もかかる工事ではありません。 しかし、この「日常の管理が行き届いている」という事実こそが、入居者にとっては何よりの安心材料になります。
建物の資産価値を守るというのは、大きな修繕工事をすることだけではありません。 日々の清掃やちょっとした気配りの積み重ねが、結果的に「退去の少ない、安定した優良物件」を作り上げます。
今度ご自身の物件に行かれた際は、ぜひ「入居者の目線」でエントランスからごみ置き場、そして各部屋の玄関までを歩いてみてください。 そこには、物件の価値を上げるための小さなヒントがたくさん落ちているはずです。
