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人事と父親。仕事にも子育てにも共通する「人が育つ」15の原則

人を育てる仕事をしているのに、

娘が生まれて初めて気づいたことがありました。

それは、

人は、教えることで育つわけではない。

ということです。

営業として働き、

マネージャーとして人を育て、

人事として採用や育成に携わる中で、

私はずっと、

「どうすれば人は成長するのか。」

を考えてきました。

もっと教えた方がいい。

もっと経験させた方がいい。

もっと頑張らせた方がいい。

そうすれば、

人は成長すると思っていました。

でも、

父親になって、

その考えは少しずつ変わっていきました。

娘は、

私が思い描いた通りには育ちません。

急いでも、

待ってくれない日があります。

教えても、

聞いてくれない日があります。

それでも、

娘と向き合う毎日の中で、

私は仕事では気づけなかったことを、

何度も教えられました。

不思議なことに、

娘から学んだことは、

そのまま仕事にもつながっていました。

営業でお客様と向き合うこと。

マネージャーとしてメンバーと向き合うこと。

人事として学生や社員と向き合うこと。

そこには、

父親として娘と向き合う毎日と、

驚くほど共通する考え方がありました。

この文章は、

育児書でもありません。

人事のノウハウ集でもありません。

営業、マネージャー、人事、そして父親として、

私が人と向き合う中で、

少しずつたどり着いた15の原則です。

もちろん、

これが正解だとは思っていません。

今も毎日のように失敗します。

娘にイライラしてしまう日もあります。

仕事で、

「あのとき、もっと違う関わり方ができたかもしれない。」

と反省する日もあります。

それでも、

その失敗の一つひとつが、

今の私の考え方をつくってくれました。

この15の原則は、

そんな私が、

これまでの経験を通して少しずつ見つけてきた答えです。

人事や育児に限った話ではありません。

家族でも。

職場でも。

友人でも。

誰かとの関わり方を考える、ひとつのきっかけになればと思っています。

この15の原則の中で、

たった一つでも、

あなたの明日からの関わり方が変わるきっかけになれば、

これほど嬉しいことはありません。


第一章 「人が育つ土台」

原則①:人は、「評価」ではなく「理解」で育つ

人事の仕事は、人を評価する仕事だと思っていた。

面接では合否を決め、評価制度では点数をつける。

もちろん、それも間違いではない。

でも父親になって、少しだけ考え方が変わった。

人は、評価される前に、理解されることで初めて前を向けるのだと気づいた。



採用面接をしていると、第一印象だけでは分からない学生に何度も出会う。

最初は受け身に見えた学生が、話を聞いていくと、家族を支えるためにアルバイトを掛け持ちしていた。

自信がなさそうに見えた学生が、実は誰よりも粘り強く挑戦を続けていた。

もし最初の印象だけで判断していたら、その人の本当の姿には気づけなかっただろう。

だから私は、評価を急ぐ前に、

「どうしてそう考えたの?」

と聞くようになった。

背景を知ると、人はまるで別人のように見えてくることがある。



それは娘と接していても同じだった。

娘はもともとシナモンが好きだ。

家にはぬいぐるみもあるし、お店で見かければ嬉しそうにする。

だからある日、

「シナモンのお洋服がほしい。」

と言われたときも、最初は特に気に留めなかった。

ただ、これまで服を欲しがることはほとんどなかった。

少し珍しいなと思い、

「どうして急にお洋服が欲しいの?」

と聞いてみた。

すると娘は、

「保育園で○○ちゃんが着てた。」

と教えてくれた。

その瞬間、私は気づいた。

娘が欲しかったのは、シナモンの服そのものではなかった。

仲の良いお友達が着ていて、自分も同じものを着てみたい。

そんな小さな憧れや嬉しさが、その一言の奥に隠れていた。

もし理由を聞かずに、

「シナモン好きだもんね。」

で終わらせていたら、私は娘の言葉は聞いていても、娘の気持ちは理解できていなかった。



人事も父親も、結局やっていることは同じなのかもしれない。

目の前の言葉や行動を評価することではなく、

その人が、なぜそう言ったのか。

なぜそう行動したのか。

その背景を知ろうとすること。

理解しようとしてもらえた経験は、人に安心感を与える。

安心できる場所があるから、人は本音を話せる。

本音を話せるから、人は挑戦できる。

評価は、そのあとでいい。

まず必要なのは、「この人は自分を理解しようとしてくれている」と感じられることなのだと思う。



あなたは最近、誰かを「理解した」と思ったことはあるだろうか。

でも、その人の背景まで、本当に見ようとしていただろうか。

人は、評価されたことよりも、理解されたことを覚えている。

そして私は、評価は人を選ぶが、理解は人を育てるのだと信じている。


原則②:正解を教えるより、選ばせた方が成長する

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