【6月1日】相場の裾野の拡大は強気相場継続か ー AIインフラ需要つづく
2026年6月1日(月)日本市場展望
9週連続高の米国株、AIと中東停戦を追い風に最高値更新
先週末の米国市場を振り返る
5月29日(金)の米国市場は、S&P500とナスダックがそれぞれ0.2%、ダウ平均が0.7%上昇し、主要3指数がそろって最高値を更新しました。
月間ではナスダックが8%超、S&P500が5%、ダウが3%の上昇となり、5月は非常に強い月となりました。
また、S&P500はこれで9週連続の週間上昇という歴史的な連騰記録を達成しています。
過去70年間でわずか12回しか起きていない稀な現象であり、強気相場の継続を示す一つのシグナルとして市場に受け止められています。
相場を支えた主な材料は二つです。一つはAI関連の旺盛な需要、もう一つは中東情勢の改善期待です。
デル・テクノロジーズがAIサーバー事業の好調を背景に力強い業績見通しを示し、株価は33%近く急騰しました。
マイクロソフトも5%上昇、オラクルは10%超の上昇を記録しており、Anthropicへの新たな投資ラウンドも報じられてAIソフトウェア株全体への買いを後押ししました。
一方、米国とイランが停戦を60日間延長し、ホルムズ海峡の船舶通行再開に向けた協議を開始するという覚書に合意したと伝わり、原油価格は週間で約10%下落、1バレル88ドル前後まで低下しました。
エネルギー価格の落ち着きが債券利回りの低下にもつながり、10年債利回りは4.5%を下回って推移しています。
AI相場の持続性と市場の広がり
今回の米国株上昇において注目すべき点は、上昇の裾野が広がってきていることです。
これまでの相場はテクノロジー・AI関連株が牽引役でしたが、5月にはEqual Weight(均等加重)S&P500や小型株指数も最高値を更新しました。
大型テック偏重から、より幅広いセクターへと物色が広がっている兆しが見られます。金融株や生活必需品セクターも小幅ながら上昇しており、相場の裾野の拡大は強気相場の持続性という観点からポジティブな材料といえます。
AI投資については、企業の設備投資が引き続き市場をけん引しています。
デルの急騰は、AIサーバーインフラへの需要が依然として力強いことを示す象徴的な出来事でした。
前週のスノーフレークに続く好決算の連鎖は、AI関連支出が単なる期待ではなく実需として企業収益に結びついていることを改めて示しており、投資家心理を大きく支えています。
インフレとFRBの動向——警戒は続く
明るい話題が多い一方、インフレへの警戒は払拭されていません。4月のコアPCEは前年比3.3%と、FRBの目標である2%を依然大きく上回っています。
複数のFED当局者がインフレの再加速に懸念を示しており、6月のFOMCでは利上げバイアスからの転換が議論される可能性が指摘されています。
ただし、エネルギー価格の下落がインフレの押し下げ要因となり得ること、また来週発表される雇用統計では10万人程度の雇用増加と4.3%の失業率維持が見込まれており、労働市場の過熱感は落ち着いているとの見方が市場のコンセンサスです。
ベースシナリオとしては、FRBは今年中は現状維持を続け、来年以降に利下げを再開するとみられています。
本日6月1日の日本市場への影響
こうした米国市場の環境を踏まえると、本日の東京市場は上昇基調で始まる可能性が高いといえます。
まず注目されるのは、AIサーバー・半導体関連株への波及効果です。
デルの急騰、オラクルやマイクロソフトの上昇は、国内の東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループといったAI・半導体関連銘柄に対するポジティブなセンチメントをもたらすでしょう。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)が3月末比で引き続き高水準を維持していることも、セクター全体の追い風となります。
為替については、米長期金利が低下傾向にある一方で、中東情勢の改善と原油安がドル売りを緩やかに促す可能性があります。
円高方向への動きが輸出関連銘柄の重しとなる場面もあり得るため、自動車・機械など輸出株については引き続き為替動向を注視する必要があります。
エネルギー関連株については、原油価格が週間で10%下落したことを受け、利益確定売りや慎重な動きが出やすい局面です。
一方、航空・運輸・素材といった原油安の恩恵を受けやすいセクターへは買いが流入しやすいでしょう。
また、本日から6月入りとなり、機関投資家のポートフォリオ再編や月初の資金フローが相場に影響を与える可能性もあります。
9週連続高という過熱感を意識した高値警戒や、短期的な利益確定売りが出やすいタイミングでもあることには留意が必要です。
まとめ
米国市場は、AI需要の持続とホルムズ海峡をめぐる地政学的緊張の緩和という二つの追い風を受け、歴史的な強さを見せています。
9週連続高という稀な記録は、過去の事例を振り返れば必ずしも相場の天井を意味するものではなく、中長期的な上昇余地は残っているとみられます。
本日の東京市場は、AI・半導体関連を中心に上昇して始まる公算が大きいものの、インフレ高止まりとFRBの政策運営への不透明感、為替の動向など複数のリスク要因が並存しています。
短期的な過熱感を念頭に置きつつも、AI投資の実需と企業業績の底堅さに支えられた相場の大きな方向感は、引き続き上向きと判断するのが妥当でしょう。
マーケット健康診断
(2026年6月1日時点)
米国市場

日本市場

テーマ別モメンタムチェック
日本市場は引き続き、電池関係とフィジカルAIは好調。
米国市場では、弱かったAIソフトウェアに資金が流入

[6月1日] PickUp モメンタム3銘柄
6479 ミネベアミツミ
ベアリングや小型モーター等の超精密機械加工部品と電子デバイスを展開する総合部品メーカーです。2026年3月期決算では、データセンター向けなどの需要増が寄与し、売上高・営業利益ともに過去最高を更新。14期連続となる増収を達成するなど、非常に好調な業績を維持しています。

6845 アズビル
ビル空調制御や工場の自動化システム等、計測・制御機器事業をグローバルに展開する国内最大手の制御機器メーカーです。2026年3月期第3四半期は一部事業譲渡の影響により通期で微減収を見込んでいますが、概ね修正業績予想に沿って堅調に進捗しており、安定した収益基盤を維持しています。

AVGO ブロードコム
データセンターや通信向けの半導体およびインフラソフトウェアを提供する世界的大手企業です。AI関連需要の急増を背景に、2026年第1四半期決算では市場予想を上回る好業績を記録しました。直近の2026年4月には、史上6社目となる時価総額2兆ドルを突破するなど力強い成長を続けています。

本記事は、特定の銘柄の購入を勧誘、または投資の助言を目的としたものではありません。記載されている情報は、筆者個人の見解や分析に基づいたものであり、その正確性や将来の運用成果を保証するものではありません。投資先の選定は自己責任でお願いします。
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