エディスリマンが作った細身なモードと60年代カルチャーの接点。
2000年代前半。
エディ・スリマンがディオールオムを手がけた時代。
異常に細い男性像は、当時のメンズファッションの常識をひっくり返した。
その美学の源流を辿っていくと実は60年代ロックに行き着く。
この記事では、60sロックカルチャーとエディスリマンが創造したDior Hommeの細身のモードについて紐付いて紹介したい。
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なぜ“細身”はロックなのか
1960年代初頭、ボブ・ディランがニューヨークに現れた頃はウディ・ガスリー的フォークの系譜に連なるもので、彼の格好も細くはなかった。
フォークシンガーとしてのディランは、
501ジーンズで全体的に太めのシルエット。
そこには、50年代的な名残があった。


転機は65年に訪れる。
ディランはアコースティックギターからエレクトリックギターに持ち替え、ロック化が進んだ。
音楽が変わると同時に、ディランの服装はタイトで都会的なものへと変化していった。
細身のテーラードジャケット、細身のパンツ、サングラス。
そこにあるのは、フォークの共同体から距離を取るためのシルエットだった。
細身であることは、新しい価値観を引き受けるための、最も分かりやすい視覚的革命だった。

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60sロックカルチャーが造像したロックの細身。
ロックカルチャーは元々“細身の美学”を持っていた。
The Beatlesの細身の上下スーツスタイル。Byrdsのマッシュルームヘアー。グラムロックの身体の線重視etc...
細身のスタイルは60sロックカルチャーの代名詞であった。




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エディスリマンによるDiorHommeと60sロックカルチャーの接続
時は2000年、エディ・スリマンが ディオールのメンズクリエイティブディレクター に就任。
01/02秋冬コレクションより、正式にDior Hommeとして新たなメンズラインを打ち出し、当時のトレンドであったゆったりしたファッションとは真逆の美学を打ち出した。
• 極端に細身なシルエット
• タイトなテーラードジャケット
• 細いネクタイや無駄のない装飾のないスタイル
• モノトーン中心の配色
• 「少年性」と「ロック」をテーマにしたビジュアル表現
エディがやったことは、60sロックが持っていた輪郭の細いカッコよさを、21世紀のモード技術で研ぎ澄ませたことだった。
昔ながらのロックのシルエットは残しながら、縫製とカッティングは極めてモード。
ここに過去と現代の接続が見える。








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最後に
今、再び細身のシルエットが静かに存在感を取り戻している。
それは60sから00sのDior Hommeへと続く一本の細い線が、今の時代にもまだ有効であることを示している。
音楽と服は常に身体を通して思想を共有してきた。
エディ・スリマンのDior Hommeは、その関係を最も美しく可視化した例のひとつだ。
だからこのシルエットは、過去にならない。
今も、そしてこれからも。
