プラチナブロンド マダム
プラチナブロンドマダム86歳の話
私は86歳になった自分の姿を、かなり具体的に想像している。
プラチナブロンドの髪をまとめたり下ろしたりしながら、レジーナロマンティコの華やかな服を着て、クラシックの年間シートの同じ席に座っている。本人はいたって自然体で、特別扱いを求めるわけでもなく、ただ自分の好きな時間を過ごしている。
足元はヒールではなく、ペタンコの靴。転ばないための選択だ。でもそれは妥協ではなく、「長く楽しむための美しさ」だと思っている。
私は、この未来を“夢”としてではなく、“予定”として持っている。
なぜなら、人は自分が思い描ける範囲の人生しか歩まないと感じているからだ。逆に言えば、具体的に描けるものは、少しずつ現実になっていく。
クラシックの年間シートも、MaxMaraのコートも、星のやで過ごす時間も、レジーナロマンティコの服も。すべて「いつか」ではなく、「人生のどこに置くか」を決めていく。
そうやって自分の人生年表に置いていくことで、「やりたかったのにやらなかった」という後悔を減らしていく。
私は双極性障害を持っているし、決して順風満帆な人生ではない。それでも、自分で選んだ仕事をして、お金を得て、音楽に関わり続けて、大好きな猫と暮らしている。
その上に、もう一つ積み重ねたいものがある。
これはまだ下積み中なのでここには書かない。
でも86歳の私はきっと、こう言う。
「この人生、ちゃんと味わい尽くした」
最優秀主演女優賞。
そして、「この人生を余すことなく生きたで賞」。
その受賞は、誰かに与えられるものではなく、自分で決めるものだ。
だから今日も、ほんの少しだけでも、自分のなりたい人生のほうへ歩いていく。
