私が家を出て
しばらく経った頃
置いてきた息子が
電話で話してくれた
「お母さんの夢を見たよ」
電話で話をしても
愚痴か
あーとか、うーとかしか
言わない末っ子
高校生の男の子なら
仕方ない
だから
珍しいなと思った
「お母さんが台所で料理してた
目が覚めたら、夢だった」
「あぁ そうか
もうお母さんは居ないんだ」
寝言か
独り言か分からなかった言葉
張り詰めた毎日
必死で生活していた息子
夢の中だけの
ひと時の安心
「あぁ そうか夢か
もうお母さんは居ないんだ」
その言葉の深い心情に
涙が止まらなかった
お母さんも
夢でいいから君に会いたいよ
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