母のお弁当に込められていた たくさんのエール
春から初夏へ。
街の色がやわらかな桜色から鮮やかな新緑へ変わっていく季節。
青々と輝く木々を見ていると、お弁当を持ってどこかへ出かけたくなりますね。
先日、優しいフォロワーさまより
ちっぷのキャラ弁の画像をプレゼントしていただきました。
かわいいお弁当箱を見ていたら、懐かしい母の作ってくれたお弁当を思い出しました。
中学生から高校生の学生時代、毎朝当たり前のようにあった母のお弁当。
単なる食事としてではなく、私の成長を応援する祈りやエールがたくさん詰まっていました。
私は、食事に時間がかかるタイプの子でした。
お弁当の時間をちょっと不安に感じている気持ちを、母は全部分かってくれていました。
食べやすい大きさに整えられたおかずや、冷めても固くならない工夫。
お弁当箱の中には私のペースに寄り添った細やかな計算がたくさん詰まっていました。
そして、私は玉子焼きがあまり得意ではありませんでした。
脇役でありながら主役級のあの1品。
でも甘い味のおかずがどうしても進まない…
そんな私のわがままを、母は静かに受け止め、それでも諦めずに試行錯誤してくれていました。
コーン、いんげん豆、ひじき、かにかま…
毎日彩り豊かな具材を混ぜ込んで、時にはころんとしたゆでたまごをお花型にして。
『どうすればおいしく栄養がとれるか』
その一心で、母は毎朝正解の出ない問いと向き合ってくれていたのです。
大人になった今ならわかるのですが、玉子焼きって一番の愛情料理だと思いませんか?
豪華な料理はたくさんあるけれど、お弁当の玉子焼きほど作る人の体温を感じる料理はありません。
卵を溶いて流し込み、火の通りのちょうどいいところでゆっくり丁寧に巻いていく…
一瞬も目を離さずに繰り返してやっとあの小さなひと切れが出来上がるんです。
そして、巻き方ひとつ、味付けひとつに、その日の母からの『今日も頑張れ!』がたくさん込められているから。
苦手な玉子焼きが、私にとって一番のご馳走になっていたのは、そこに母のあきらめない愛情があったからかもしれません。
もしも
『最後の晩餐何がいい??』
と聞かれたら、私は迷わず
『玉子焼きの入った母の手作りお弁当』と答えます。
今、愛情を届ける側になり、私もお弁当には母がしてくれたように具だくさんの玉子焼きやお花型のゆでたまごを必ず入れています。
先日、大人になった娘が
『子供の頃さぁ、お弁当に入ってたお花のゆでたまごおいしかったよね!』
って話してくれました。
私が母から受け取ったあの温かなエールを娘もちゃんと受け取ってくれていたんだなと心があったかくなりました。
お母さん、
あなたの作ってくれたお弁当は、私の心の奥で、今も私を温め続けてくれています。
もうすぐ来る母の日に、昔の思い出話をたくさんしようかな…
お母さんの作ってくれたお花の形のゆでたまご、みんなのお気に入りだよって伝えたいな。



