4.神様のつぶやき
わたしの中で、今日も地球が泣いている。
海が揺れ、風が荒れ、花が散る。
空が曇り、人が迷う。
それを見て、わたしは思う。
――これは、わたしのせいなのか。
君たちを創ったあの日、
わたしは希望を込めた。
笑い合うように、支え合うように、
美しい世界を夢見た。
けれど今、
涙の方が多い。
祈りよりも叫びが多い。
わたしは神様。
でも、万能ではない。
君たちを愛しすぎて、
何もできなくなってしまった。
風が尋ねる。
「どうして止めないの?」
わたしは答えられない。
花が問う。
「どうして枯れるのを見ているの?」
わたしは目を伏せる。
空が言う。
「泣いているのはあなたでしょう?」
そうかもしれない。
地球は今日も回っている。
君たちの痛みを抱えながら、
それでも静かに、朝を運んでいる。
わたしはその姿に、
ただ頭を下げた。
ごめんね。
もっと優しくできたらよかった。
もっと強く守れたらよかった。
でも、それでも、
君たちはまだ生きている。
まだ、愛している。
まだ、誰かを想っている。
それを見て、
わたしはもう一度だけ祈る。
「どうかこの世界が、
もう少しだけ優しくありますように。」
それが、
わたしのつぶやき。
わたしの贖い。
そして、わたしの愛。
