第四章 第5話 夫婦の愛 人生を共に歩むということ
はじめに
前回の「性愛」では、現代における問題点を指摘しつつ、男性と女性が互いを深く愛し、その愛を精神的にも肉体的にも表現する営みについて考えました。
しかし性愛は、それ自体が目的ではありません。
本来の性愛は、男性と女性が人生を共に歩む決意を深め、夫婦として結ばれていくための重要な要素の一つです。
今回は、その先にある「夫婦の愛」について考えてみたいと思います。

【 異性の愛との出会いと結合】
人は一人で生きることもできます。しかし人生の中で異性との出会いは特別な意味を持ちます。
男性と女性は互いに異なる存在です。考え方も感じ方も異なり、ときには理解し合えないこともあります。
それでも人は、自分とは異なる存在に惹かれ、一つになろうとします。お互い相手を理解しようとし、共に歩もうとします。
恋愛は心と心の出会いです。
性愛は心と心だけでなく、身体と身体の結びつきでもあります。
そして結婚は、人生と人生の結びつきであり、異なる家庭や家族の歴史をも結び合わせる営みでもあります
夫婦とは、二人が単に好きだから一緒にいる関係ではありません。喜びも苦しみも分かち合い、未来を共に築いていく共同体でもあります。
人生の中で結婚は、「誕生」と「死」という避けられない出来事の間にある、自分で決めることのできる「最大の選択」とも言えるでしょう。
誰と人生を歩むのか。
この選択は、その後の人生を大きく左右します。

【夫婦愛の特別性】
夫婦の愛には、他の人間関係にはない特別な性質があります。
友人との愛情も大切です。もちろん親子の愛も尊いものです。
しかし夫婦は、精神的にも肉体的にも深く結ばれることを前提としています。
互いの弱さや良いところを知り、長所も短所も受け入れながら支え合う。
困難な時には励まし合い、喜びの時には共に楽しみ感謝する。
そのような日々の積み重ねによって夫婦の愛は成熟していきます。
夫婦の愛の営みもまた、この深い信頼関係の中にあります。
それは単なる欲望の充足ではなく、「あなたを受け入れる」「あなたと人生を共にする」という確認の場でもあります。
古来より東洋思想では、男性を「天」、女性を「地」にたとえる考え方がありました。
その関係性で見るならば、夫婦とは天と地が調和する場であり、その意味でも「夫婦の愛は特別なもの」といえるでしょう。

【夫婦から家族、愛の拡大】
夫婦の愛は、二人だけで完結するものではありません。
そこから新しい命が生まれ、家族へと広がっていきます。
子どもが生まれると、夫婦は親になります。
孫が生まれれば祖父母となります。
愛は二人の間だけに留まらず、次の世代へと受け継がれていきます。
家族は、人間が最初に経験する共同体です。
子どもは家族の中で愛されることを学び、父母や祖父母、兄弟姉妹を愛することを学びます。そして、社会の中で生きる力を身につけていきます。
家庭は単なる生活の場ではありません。
愛情を土台として人格が育ち、人間性が形成される大切な場所なのです。
【社会愛・世界愛の土台として】
現代社会では、平和や人権、共生の大切さが語られています。
もちろん、それらも重要な内容です。
しかし、それ以上に大切なことは「愛の成長」です。
社会を愛する力も、人類を愛する力も、突然生まれるわけではありません。
制度や法律だけでは、人の心を結びつけることはできません。
平和も人権も共生も「愛」なしには成り立たないものなのです。

【家族と社会の出発点 】
最初に人が学ぶ愛は、身近な人への愛です。
父母から子へ。 子から家族へ。
そして家族から地域へ、社会へと広がっていきます。
つまり家庭は、社会愛や世界愛を学ぶ最初の学校といえます。
人を大切にする心。
他者を思いやる心。
責任を持って生きる姿勢。
それらは家庭の中で育まれます。
夫婦の愛は二人だけの幸福ではありません。
家庭を築き、人を育て、社会を支える土台となるものです。
だからこそ夫婦の愛には大きな価値があるのです。
男性と女性の出会いから始まった愛は、夫婦となり、家族となり、やがて社会へと広がっていきます。
一人ひとりの人生の中にある夫婦の愛は、未来の社会を形づくる大切な出発点なのです。
そしてそれは誰から学ぶのでしょう。
どうやって学ぶのでしょう。
次回は 第四章 男性と女性 エピローグ 愛の原点 父親母親の存在 です
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また、物語の原点は…はてなブログ
「SIN宇宙船地球号SAPPOROラボ」
にあります。
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