徒然なるままに 2026盛夏
最近は少し慌ただしかったことに加え、ワールドカップ観戦による寝不足で
アニメや映画を見れず投稿に間が空いてしまいました。
それにしても、あのブラジル相手に前半だけとはいえリードしていたのは
ひとえに努力の積み重ねの成果。
結果は残念でしたが4年後に期待が繋がります。
さて、2026春アニメも順次最終回が放送されたタイミングで
キチンと見終えた作品の感想など書いていきたいと思います。
とんがり帽子のアトリエ 評価:3.5/5
TV放送用アニメの範疇を遙かに凌駕する完成度を何度か見せてくれた本作。
作画が単に丁寧というだけでなく、アニメーション技術・レイアウト・
色使い・背景作画・小物等の設定に至るまで、全てが驚くべき水準で、
かつ、1話から最終話までそれを完遂している事は称賛に値するのではないでしょうか。
また、本作独自の魔法の解釈もオリジナリティ溢れる設定となっており、
状況打開の為ある種万能にも見える描かれ方が多い他作品とは
一線を画しています。
魔法発動条件が”魔方陣を描く”ということから、練習を重ねる様子や
魔法の系統が眼で見て理解できる事。
また、書き溜めた未完成の魔方陣を携帯し、発動させたい時に陣を閉じる
一筆を書き入れる際に生まれる気持ち良さは見事な発明だと思います。
と、ここまでは絶賛しながら、傑作・良作だったか?と言われると、
私個人としてはなんとも言いづらく、佳作かなぁ…というレベルです。
ここがダメ、と言えるほど悪い部分を挙げる事が出来ないのがなんとも
歯痒いのですが、完成度の高い話数で醸成された熱が後に続かない。
といった感じでしょうか…
最終話は尻切れトンボな印象ながら、2期の制作も決定したようなので
ココたちの成長と、つば有り帽との因果も含め、続きが見れる事を楽しみにしています。
春夏秋冬代行者 春の舞 評価:2.5/5
視聴を継続して唯一残念なまま終わってしまった作品です。
作画面は背景含め非常に美しく、キャラクターも美麗だったと思います。
ただ、構成なのか、そもそもの原作の問題なのか、私としては感情移入
できるキャラクターがほぼおらず、故に喜怒哀楽の感情表出が上滑りする
場面ばかり見せられている気分でした。
そもそも4つの季節の代行者の所属する各派閥と、敵対するテロ組織、
そして国家の三つ巴を描いているはずなのに、それぞれが何を目的に・
どんな役割で活動し・代行者に何を求めているのか、
が最後までピンとこなかったため、裏切者が内部にいた、などの場面でも
全く盛り上がれませんでした。
この作品も他の全ての作品と同じく原作未読なので、何とも言えませんが
季節を司る代行者という設定はとても魅力的で、演出次第では面白く描けた
可能性があったのかも、と思っています。
氷の城壁 評価:3.5/5
本作では毎話のラストで、不穏な印象を与えるエンディングのイントロが
本編に重なります。通常回ならば、この先どんな展開になるんだろう?
という期待を醸成する良い演出です。
ところが今期の最終回である14話も今まで同様イントロが流れ出した時は
流石に”あれ?ここで終わり?”と思ってしまいました。
2期制作の告知がすぐ見れたとはいえ、もう少し一区切り感のある締め方をして欲しかったです。
陽太と美姫の関係性は一応の決着を見せてくれたものの、肝心の小雪と
湊(みなと)は進展がふんわりしたまま…どころか恋敵になりそうな桃香の
不穏な様子を描写して終わりとか、あと3か月蛇の生殺しじゃないですか!
毎度毎度同じ作者の”正反対”と比べ恐縮ですが、あちらが1話目ですぐに
恋人になる展開と比較すると、本作の4人は余りにも及び腰、というか
相手の気持ちを深読み(尊重)しすぎに見えてしまいます。
とはいえ、親友レベルで仲の良い異性に対して恋愛感情が芽生えた場合、
感情をどう整理すべきなのか?といった、心のひだを丁寧に救い上げているのは、やはり阿賀沢紅茶先生ならではの視点だなぁとも感じました。
異性の親友を持った経験が無い私は、こういうものなのかなぁ?
と受け取りつつ、こゆんの恋心の行方を見守っていければと思います。
霧尾ファンクラブ 評価:4/5
13話でとても綺麗に幕を閉じた本作。
藍美と波のコンビ(間違ってもカップルではない)の関係性は
現実に彼女たちと年齢が近い人達ほど刺さったのではないでしょうか?
何事にも素直すぎる藍美と一癖ありつつ一途な波は、
稗田寧々さんと若山詩音さんの演技が乗る事でさらにその個性が強調され、
その掛け合いだけで独特の世界観を形成していたと思います。
私が思うこの作品の良さは、キャラクター一人一人に向けるまなざしが
優しいところです。
ギャグアニメ特有のいじりは山のようにあれど、最後はそのキャラの善性を
必ず描き、共感の持てる人物として落とし込めている。
きっと作者の”地球のお魚ぽんちゃん”さんが心優しい方なんだと思います。
藍美の想いと波のアシストにより霧尾君に遂に笑顔が戻った最終回は、
劇中の登場人物と同じようにこちらまで嬉しくなりました。
昨今は長期シリーズになる作品が多いなか、本作は秘めた想いを予感させる演出を上手に持続させ、初見時の第一印象を大きく覆す結末を描きました。
強い思いが一人を救い上げることをきちんと描き切った、
多くの人に勧められる良作だったと思います。
上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花 評価:4.5/5
終わってみれば、今期のなかでもトップクラスに完成度の高い作品。
私は百合作品が好みかというと、逆に敬遠する方でした。
にもかかわらず、友情の先にある同性同士の関係性を
ここまで情感豊かに描かれると、お見事と言う他ありません。
お酒に酔う事で、心の奥にある感情がじんわりと表出する瞬間を
本作はじっくりと描き出します。
素直な気持ちを相手に伝える事の怖さや自分の持つコンプレックスも、
言葉として発する時にそっと後押しするような空気感。
画面越しに体温が伝わってくるような演技と画面構成。
文学的とも評されている言葉選びは、逆にエロティックさすら超越し
膨張した想いの強さを加速させます。
最終回では、ぼたんの焦燥をこれ以上ない形で受け止めるいぶき。
お互いの肉体に、一緒に傷をつける――。
これほど親密で尊い関係性の帰結は、私の想像を超える表現で、
後続の百合作品の基準を一段引き上げるほどの名場面だったと思います。
以前にも書いた通り、景嵐が入寮してからの加速度が凄まじく
メインカップルのぼたん・いぶきと同等レベルで、
郡上先輩と景嵐の想いの行方を注視していました。
ぼたん・いぶきのその後はエンディングで描かれましたが、
いずれ台湾に帰国するであろう景嵐と郡上先輩のその後がどうなったのか、
それだけが気がかりです。
日本三國 評価:4.5/5
まさに2期ありきの最終回でした。
ここまでの流れから、今期は”始まる前”を描いた物語、というニュアンスも感じられ、主人公の三角青輝と阿佐馬芳経の目線で語られるであろう
続編こそが本編、なのかもしれないと捉えています。
遂にこれまで伏せていた平殿器がその策略を実行に移し、
どの角度から見ても隙のない成果を手中にします。
こういったドラマは敵役の実力が高ければ高いほど、
それに対抗する主人公サイドの知略が試され、お話は盛り上がるものです。
特にどん底から如何に失地回復し、対抗する手段を構築していくのかという期待感、聖夷に変わり大和を狙う武凰の個性的な面々、などなど続きが
楽しみでなりません。
ただ、残念だったのは、以前にも書いた輪島桜虎の描かれ方です。
結局彼女の実力(アジテーション以外の能力)は描かれないまま
舞台から退場したことで、リーダーとしての資質を画面から感じ取る事は
できませんでした。
キャラを立てる事がとてつもなく上手いこの作品において、まるで舞台装置のような役割でしか描かれなかった事を思うと不憫でなりません。
アマプラ配信前提の本作。
TV放送に合わせたフォーマットに縛られない編成を実現できていたなら、
桜虎が大和との和平交渉において不利な条件を知恵で覆す!
などの活躍も見られたかもしれませんね。
(原作に描写が無ければそもそも描きようがないのかもしれませんが…)
製作面では、非常に個性的な原作を、安定した美麗作画でアニメーションに
落とし込み、緩急をつけた演出で毎話あっという間に終わってしまう、
魅せ方がとても達者な作品であったと思います。
また声優陣も多くのベテランが参加する事で非常に重厚でありながら、
時に飄々とした空気を醸し出すなど、ラジオドラマのような有難みすら
感じられるものでした。
これだけのクオリティでの制作となれば、
短い期間での続編公開は難しいと思いますが、数年は我慢しますので
今回と同レベルの素晴らしい作品が見られることを楽しみにしております。
それにしても、賀来軍師の死に際の美しさたるや…天晴でした。
最後に…
以上が2026春アニメで見終えた作品群の総括的感想でした。
続編ものではRe.ゼロ4期を楽しみましたが、世間の圧倒的高評価ほど
刺さりませんでした。
途中の展開で、勘弁してくれ…と集中力が途切れてしまった私は
この作品を見る資格がなくなったのかもしれませんね。
そして私の今期の本命”淡島百景”については、改めて独立した感想を
投稿したいと思っています。
正直、本質を的確に捉える事が難しく、一つの感想として纏めるには
時間がかかりそうです。ただ、事前に一言だけお伝えするならば、
”私にとって大切な作品が一つ増えた” です。
