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読書記録『ハンチバック』市川沙央

重度障害者の井沢釈華は、十畳の自室からあらゆる言葉を送り出す。圧倒的圧力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた文学界新人賞受賞作。第169回芥川賞受賞。

e-honの要旨より

筋疾患先天性ミオパチーという障害を持つ本書の著者が、芥川を受賞した時のニュースをよく覚えている。

先日、『税金で買った本』を読んだ。
この漫画は、図書館で働く司書の日々を描いている。
最新刊では、図書館での電子書籍導入の取り組みの中で、『ハンチバック』の下記文章が引用されていた。

私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、ー5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。

本書27ページより

「愛のテープは違法」事件については知らなかった。
私が図書館に自分で通える年齢になってからの記憶では、図書館には、大型活字本、点字図書の他に録音資料があったように思う。
ただ、それは古い資料のみで新しい資料は更新されてなかったのかもしれない。

本書の、紙の本が好きという人物に対しての辛辣な言葉が、正直わたしには痛かった。私もそういう傲慢な人間の一人だったから。
また、私は「体育会系は脳筋だから、本なんか読まない」と、言わないにしても常日頃思っていた。
スポーツの場では障害者に活躍の場所を提供しているのに、読書文化はどうだと言う著者の言葉に、偏見に満ちた視野の狭い自分を反省した。

少し前に、市立図書館に行った時、視覚障害を持つ子どものための触って楽しめる絵本を見つけた。
それは『ぐりとぐら』だった。
絵の上にふわふわのフェルトが貼ってあったり、触ることで絵の楽しさを伝えようと様々な工夫がなされていた。
唯一無二のその本1冊を作るために、どれだけの手間と時間と予算がかかったのだろうかと思う。
子どもの頃の楽しい記憶は多ければ多いほどいい。
そういった子どものためにも、読書バリアフリーに関わる予算は削られるべきではないと思う。

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