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初恋は突然に 【来襲の運勢】

「これで三社めよ、お守り頂くの」臨月の妻が言う。
「大丈夫だよ、神様は喧嘩しないから。おみくじもひこうよ」

 ひいた籤は中吉。
「願い事、近く叶うだって」
「やったね、安産」
「待ち人きたる。恋愛叶う、運命の人に出会うって」
「もうとっくに出会ってるよな」妻の肩を抱いた。

 その時、小さな男の子が妻に近づいてにこり。
「ねぇ、お腹さわってもいい?」
「え? ああ、いいけどやさしくね」
 男の子がそっと掌をあてる。そして目を閉じて言った。
「僕のお嫁さんになってね」

「え!?」

 男の子は笑って走り戻り、その先にはお母さんらしき人が丁寧なお辞儀をしていた。男の子が大きく手を振る。僕らも手を振った。

「この子、女の子? ねぇ、あの子がほんとに結婚の挨拶にきたりして」
 妻が笑った。
「お腹のなかでもう初恋ってか? びっくりだよ」
 僕は妻のお腹に囁く。「そんなに急ぐなよな」

「あああ、きた!」
「ええ?」
「イタタ、病院に早く!」
「まさか出会っちゃったの? ほんとに?」

完 (文字数410 段落下げ空白除く)




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