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恋愛フロントサイドトリプルコーク1440#毎週ショートショーnote【柴犬ハーフパイプ】

「ね、これ。スノボのコース。オリンピックの」
「ああ、ハーフパイプね。でもこれはスケボー用だよ」
 夜の公園にスケボーの練習用コース。街灯に照らされた高さ2m近い半円の施設はモニュメントのように息をひそめていた。

「やったことある? スノボーとか」
「スノボはやったけどジャンプくらいしかできなかったよ」
「え~すごいじゃん」
「いや、滑ってて瞬間20㎝くらい浮くだけね」
「それでもすごいよ。あたし滑る系はだめだもん」
「アイナは東大理一のリケジョだから滑るのはなしでしょ」
「雪面の抵抗力とエッジ曲率に体重移動。物理と幾何学で……」

彼はアイナの言葉を遮るようにキスをした。そしてハーフパイプの底面に彼女をそっと寝かせもう一度。

「抵抗はあるかな」
「バカ」

 その時、二人の上を飛び越える影。「えっ! なに?」

「すみませ~ん、うちのシバ吉が」犬の散歩に息を切らせた女性が叫ぶ。

 見事に着地した柴犬がアイナの頬を舐めた。

「あなたより上手ねこのシバ君は」


(本文410文字 字下げ空白除く)


田原にかさんの毎週ショートショートnote今週のW表お題の一つ
「柴犬ハーフパイプ」への参加作品です。

作品タイトルは本文にほぼ関係がありませんが、まあ恋には大技も必要かなと…… オリンピックの選手の皆さん、お疲れ様でした。

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