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zakkisou
新ぶんぶく茶釜 #毎週ショートショートnote【文学茶釜】
締切まであと一か月。この文学賞をとれなければ諦める。男は作家人生を賭けていたがどうにも書けない。
気分転換にと出た散歩道に珍しく骨董の露店がぽつりと。
「お兄さん、なんか悩んでるね」
「わかるか?」
「まあ茶でも飲んでいきな。全く売れない茶釜で湯を沸かしたんだが」
俺と同じか。男は苦笑し茶釜をのぞき込む。中でぷくぷくと湯が沸いていた。
「何に悩んでいるのかね」
「俺も【売れない】小説家でね。今、書いているのもどうにも行き詰って。それでぶらぶらとね」
「それならこいつで気分を変えてみたら」
店主は茶釜を指さした。
「この茶釜、喋るんで」
「はあ? まさか狸が化けているとでも言うのか? 俺はお伽話は書かないんだよ」
男は舌打ちし茶をすすった。
すると茶釜のぷくぷくという音がどんどん大きくなり何やら言葉に聞こえだした。
『俺の股間とおんなじでブラブラしてても意味ないぜ』
「けっ、うるせぇ狸。尻尾出したな」
『そう言うお前は手も足も出てねぇじゃねぇか』
完410文字(空白字下げ含まず)
※一部誤解を生むような表現がありますが、誤解ではなく正解です。
田原にかさんの毎週ショートショートnote今週のお題「文学茶釜」に参加させていただきました。
なんだかな。書いていて胸が痛いわ。いろんな意味で。
東京文フリ組の皆さまお疲れさまです。またいい御本は紹介してくださいね。買いますので。
