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bowwow358
狐火バーベキュー
「楽しかったな、去年の夏の」
「ああ、BBQ。川でやったやつか」
「肉うまかったし、ビールも旨かった」
「こんな風に夜空もきれいだったな」
「あれが皆で集まった最後になっちまったな」
風切り音が絶え間なく激しくなる。
「もうだめか」
「なんでこんな時に思い出したんだ?」
「頭を低くしろ。奴らにすっかり囲まれちまった。四方八方から撃ってくる」
「銃口の火花が連なって動いてくるぜ」
「地獄送りの燐火かよ」
「こんなことになるなんてな」
「俺たちには関係ないと思ってたな、あの時は」
「あの火の行列で俺たちがBBQにされるわけだ」
「旨くねえな」
「まったくだ」
二人は少し笑った。
「俺、あいつにプロポーズしたかったんだ」
「そうか……」
「お前、壕を北へ走れ。俺が援護する」
「一人で死ぬなよバカやろう」
間近でひゅんひゅんと音が過ぎた。
二人の会話が続くことは永遠になくなった。
葬列のごとき火は青白き若き魂を見送った。
火が消えたあとの屍の群れに狐が長く鳴いた。
完 410文字(段落空け、字下げ含まず)
たらはかにさんの毎週ショートショートnote今週のお題
「狐火バーベキュー」に参加させていただきました。
すみません。くらーい内容で。
皆、それぞれで夏を迎えましょう。
