子供のためのルーブル美術館(134)誰の足?誰の手?/アングル・偉人大集合の絵
ルーブル美術館の天井にかざる絵
アングルは、大昔から偉人たちに尊敬されてきたホメロスの絵を描きました。
ホメロスは、今から3000年前、イリアス・オデュッセイアという有名なお話を作った詩人です。
アングルの描いたホメロスの大きな絵には、古代ギリシアやローマの偉人から、名前を聞いたことがある有名な近代の人たちも勢ぞろいしました。

真ん中に座っているのがホメロス。
古代の偉人たちは階段の上の方にいます。

そして、ダンテ、モリエール、モーツァルトや画家のプッサンたちは、下の階段に。

でも、アングルは、古代の人ではない画家のラファエロとミケランジェロだけは、階段の上に描きました。
そのふたりは古代の偉人に仲間入りするくらい素晴らしい画家だとと思っていたからです。


アングルが描く美しい線、すきとおるような新鮮な色は、まるでフレスコ画のようだと言われました。
どの人も本物そっくり、みんな今にも動き出しそう。
アングルは、細かいところまで丁寧に描くために100枚ものデッサンを描きました。
この足は、真ん中にいるホメロスの足

この肖像画はラファエロ、そして手のデッサンもたくさん描いて、大きな絵のための準備をしました。

こうしてできあがった絵は、ルーブル美術館のシャルル10世の間の天井に飾られたのでした。


Jean-Auguste-Dominique INGRES
Homère déifié 1826-1827
アングル
ホメロスの神格化 1826
(天井画は1855年にバルゼ兄弟による模写に置き換えられ作品は絵画部門に展示)

Jean-Auguste-Dominique INGRES
Étude pour L'apothéose d'Homère (1827, Louvre) : les pieds d'Homère. 1826-1827.
ドミニク・アングル
ホメロスの神格化(1827年、ルーヴル美術館)のための習作:ホメロスの足。

Jean-Auguste-Dominique INGRES
Études pour L'apothéose d'Homère (1827, Louvre): profil et mains de Raphaël, mains d'Apelle, de Racine et de Poussin.
ラファエルの横顔と手、アペル、ラシーヌ、プッサンの手

参考 Jean-Auguste-Dominique INGRES
Études pour L'apothéose d'Homère (1827, Louvre) : mains de Virgile, Corneille, Euripide et Shakespeare. 1826-1827.
この作品は、ルーヴル美術館のシャルル10世美術館(現在のエジプトの間)の天井を飾るために国から依頼されたもので、依頼を受けるとアングルはすぐに絵の構想を練り、スケッチで構図の大枠を固めるのに1時間もかからなかった。この絵のニコラ・プッサンの肖像画は、現在ルーヴル美術館に所蔵されているプッサンの1650年の自画像をそのまま模写したもの。
構図は左右対称、古典的な手法で、デッサンは非常に高い精度を達成している。色彩は非常に鮮明でフレスコ画のような印象を与えることを意図している。
彼はこの作品に細心の注意を払い100枚以上のデッサンを描き、作品の配置や細部を徐々に明確にしていった。
アングルの美術史理解は広範で古代に遡る巨匠達の作品の研究にも余念がなかった。
お読みいただきありがとうございました。
アングルは、このラファエロのフレスコ画『アテナイの学堂』に匹敵する作品を目指しました。

フランス絵画の歴史でアングルは、ライバルのドラクロワと両翼をなす重要な画家ですが、ラファエロを敬愛する古典主義的な絵を描きました。
時代を超えて多くの偉人たちに愛されたホメロスの物語、お子様から大人まで楽しめるジュニア本でどうぞ。
パリは肌寒い日が続きます。日本はお暑いですよね、どうぞ皆様お大事に残りのお休みをお過ごしください。
こちらは静かなパラリンピックを迎えようとしています。また気球が上がります。
