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妻への隠し事。冷凍庫の中の秘密

 冷凍庫の左奥に隠し持っている物がある。妻はその存在を知らないだろう。

 隠し持っている物とは、納豆である。妻は納豆が大の苦手。においや粘り気など、納豆という存在を構成する要素が全般的に苦手だそうだ。そのため、私は納豆が好物だが、妻のいる前では食べないことにしている。

 アメリカでも、日系やアジア系のスーパーで納豆が手に入る。日本と同様にパック3つが重なっているのがこちらでも一般的だ。食材の買い出しは空いている平日に私1人で済ませている。その際に、納豆をこっそり買い物かごに忍ばせているわけだ。

 妻は毎日出社するわけではない。週に何度かオフィスへ行く。その日の昼食が納豆の出番だ。納豆はそのまま食べてもいいのだが、冷凍しているせいか味が落ちている気がする。調理するにしても、1人分だし適当でいい。

 個人的な最適解は納豆チャーハンだ。プライパンにごま油を引き、ご飯と納豆、卵などを適当に入れて炒める。味付けは付属のたれと塩コショウ、醤油のみ。中華だしを使わないことで、和の風味となる。少し焦がすと醤油が香ばしくなっておいしい。


できあがった納豆チャーハン。素朴な味わいだが、これがいいのだ


 満足した気分でいると妻が帰ってきた。部屋に入るなり、妻が口を開く。

 「納豆食べたでしょ」

 あれ?ばれた?すぐに洗うのが面倒で、食器を少し放置してしまったのがまずかった。納豆のにおいが残ってしまった。

 隠し事は、意外にもあっさりと明かされるものなのかもしれない。はかないものである。




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