はじめまして、子ジカさん
自然豊かな私の散歩道には、すぐそばに小さな木のトンネルのような獣道がある。ジブリ映画『となりのトトロ』で、メイがトトロを追いかける際に通る抜け穴のような場所だ。人間の大人には狭すぎて通り抜けることはできない。
私は、その小さなトンネルの横を通る際は動物の姿がないかを必ず確認する。先日は、そこで初めて子ジカを見かけた。
子ジカは2頭いて、小さな体に斑点が確認できた。このあたりはシカは珍しい動物ではなく、シカ自体も人間慣れしていて、人が近づいても気にせずに草を食べ続ける個体も多い。しかし、子ジカは心なしか落ち着かない様子だった。
気になったのは、親ジカが近くにいなさそうだったことだ。帰ってから調べると、これは普通のことらしい。大人のシカには天敵から嗅ぎつけられるにおいがあるが、子どもにはないという。そのため、親ジカはあえて子ジカと離れて過ごしているらしい。
私が知らなかっただけで、親ジカは合理的な子育てをしていたのだと感心した。教わることもなく、自然とそのような行動をとるのだからすごい。
子ジカを見かけた木のトンネルは、人が通るトレイルのすぐそばにある。実際の世界でも『となりのトトロ』のように、人と動物(トトロではおばけ?)が交わるような交わらないような、絶妙な距離感で共存しているのだと教えられた気がした。

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