五輪選手に学ぶ生き様
冬季五輪が開幕した。楽しみにしているのはアルペンスキーとフィギュアスケートだが、両競技ともすでに始まっている。
フィギュアスケートのチームイベントでは、日本とアメリカが超接戦の末、アメリカが金、日本が銀メダルとなった。最初から見応えのある展開となっている。
全然知識はないのだが、やはりアリサ・リウや鍵山優真、坂本花織らの滑りは美しい。ペアでは三浦璃来/木原龍一の細やかさや安定感は他の組と違うと感じた。妻はフリーの佐藤駿の滑りに驚いていたようだった。
またアイスダンスを初めて見たが、アメリカ代表マディソン・チョック/エバン・ベイツは、素人の私に「これがアイス“ダンス”」と教えてくれるかのような滑りだった。氷の上を滑っているというより、氷の上で踊っているように見えた。
今後の個人競技も楽しみである。
一方、今朝行われたアルペンスキー女子滑降では目を覆うような場面があった。1週間前のレースでひざの靱帯断裂のケガを負った中で出場したアメリカのスター選手リンゼイ・ボンがスタート直後、空中にジャンプした状態で旗門に腕を引っかけてバランスを崩し大転倒。その後、ヘリコプターで搬送された。
彼女の輝かしい実績や直前のケガについては以前の記事で触れたが、出場の背景を知っているだけに非常に怖く、直視するのがつらい映像だった。中継を見ている限りでは、観客も悲痛な表情を浮かべ会場は静まり返った。このオリンピック競技中、最も静かな瞬間だったかもしれない。
日本では陰に隠れがちなアルペンスキーだが、強国のアメリカでは冬の花形種目の1つである。注目選手の1人で報道も多く、大きなケガを抱えながら強行出場する彼女には「自己中心的だ」というような批判の声もあった。
前日のトレーニングランでは3番手のタイムを記録するなど明るい兆しもあったが、最終的には非常に厳しい結果になってしまった。左膝を骨折して手術し現在、状態は安定しているとのことだが、ここまでの努力を思うと胸が痛む。
ボンはケガに終わったが、金メダルはチームメートのブリージー・ジョンソンが手中に収め、アメリカ女子チームの層の厚さを強く印象付けた。
ボンはアルペンスキーの歴史上、最も活躍した高速系レーサーである。米メディアのインタビューでは、今シーズン限りの引退を表明しており、このまま引退する可能性も高いだろう。
うまくいくこともあれば、努力しても叶わないことがある。スキーは危険と隣り合わせの競技であるとつくづく感じるとともに、人生とはそういうものなのかもしれないと思った。大切なのは、困難に直面したときのレジリエンスだ。数多のケガから復活を遂げてきた彼女の生き様に学ぶ。

きょうの1曲
Rihanna - Lift Me Up
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